災害の備えは平時から!防災グッズのある生活をもっと身近に!

地震による二次災害の種類と対策を防災士が解説!一時災害との違いも一覧表で分かる

地震 二次災害

この記事で分かること
  • 二次災害と一次災害の違い
  • 大地震による二次災害の種類と対策

地震の怖さは、地震動(地震の揺れ)だけでなく、そのあとに発生する二次災害でも甚大な被害が出ることです。

二次災害とは

二次災害とは、ある災害(一次災害)が発生した後に、その災害が原因となって引き起こされる別の災害、またはその被害です。

一次災害と二次災害の違い

一次災害と二次災害の違いは、以下のとおりです。

一次災害ある災害そのもの、またはそれによって生じる被害
二次災害一次災害を原因として派生的に生じる災害、またはそれによって生じる被害

例えば、一次災害として大雨・豪雨が発生した場合、それが原因で発生する地すべりや崖崩れなどの土砂災害が二次災害です。

各種一次災害によって引き起こされる二次災害

一次災害とそれによって引き起こされる二次災害の例を確認しておきましょう。

一次災害二次災害
大雨・豪雨土砂災害(地すべり、崖崩れ、土石流)など
洪水感電、感染症など
地震余震、津波、通電火災、土砂災害など
火山噴火土砂災害など

大規模地震後に発生する二次災害

大規模地震を原因として引き起こされる二次災害には、以下のようなものがあります。

  • 余震(大きな地震の後に発生する地震)
  • 火災
  • 津波
  • 液状化現象
  • ライフラインの断絶

余震(大きな地震のあとに発生する地震)

余震とは、一連の地震活動において、大きな地震が発生した後に、同じ地域や周辺地域で発生する地震です。

MEMO

一連の地震活動のうち、規模が大きな地震を本震、その前の地震を前震といいます。

発生期間は数日から数年間、発生回数は数十回から1万回超を幅があり、本心と同じ規模の地震が発生することもあるので、本震で被害を受けた地域にさらに大きな被害を与えます。

例えば、本震で半壊した建物が全壊する、本心で崩れかけていた崖が崩れ落ちる、液状化現象が発生するなどの被害が出ます。

震源が浅く、マグニチュード(地震の規模)が大きい地震が発生した場合、高い確率で余震が発生します。

また、マグニチュードが大きいほど余震の回数が多くなり、発生する地域も広範囲になる傾向があります。

防災コラム

余震という言葉から「余震=本震より規模が小さい」と誤解されがちですが、過去の地震の記録を見ると、本震と同じ規模の余震が発生するケースがあります。

 

2016年の熊本地震でも、気象庁が本震を発表した2日後に本震を超える規模の地震が発生し、大きな被害を出しました。

 

そのため、気象庁は、同年の8月19日から、「余震」という言葉を使うのを止め、「地震」という言葉を使って注意を呼びかける運用を始めています。

余震とは何か?いつまで警戒するか、前震や本震との違い、余震への備え方を解説

火災

大規模地震が発生した後は、工場火災、ガス火災、津波火災、電気火災など様々な火災が発生します。

特に、発生件数が多く、一般家庭からの出火が目立つのが電気火災です。

また、電気火災の中では、地震直後に発生する火災と通電火災が多数を占めています。

火災の種類出火原因
地震直後の火災地震の揺れで作動中の電熱機器が倒れ、可燃物に接触して出火するなど
通電火災地震の影響で停電した後に電気が復旧し、転倒して可燃物に接触した電気機器や破損したコードに通電するなど

通電火災は、居住者が避難した後に発生することが多く、初期消火が遅れて被害が拡大しやすい火災です。

地震の揺れによって道路が破損した地域で火災が発生すると、消火活動が難航して周辺一帯が火の海になってしまうリスクもあります。

停電対策の防災グッズを防災士が紹介!ろうそくの危険性も解説

津波

津波とは、地震や火山活動などの影響で海底の地形が急変することで発生する、巨大な波の伝播現象です。

津波の発生と伝播のメカニズムについては、気象庁が作成した図が分かりやすいでしょう。

津波 気象庁

出典:気象庁|津波発生と電波の仕組み

海底で大地震が発生すると、プレートや断層がずれ動いて海底が大きく隆起・沈降し、周囲の海水が盛り上がったり、沈み込んだりして巨大な波が発生します。

この巨大な波が四方に広がり、津波として甚大な被害をもたらします。

津波の基本的な特徴は、以下のとおりです。

津波の特徴説明
速度水深が深いほど速く、水深が浅くなると遅くなる

遅いといっても人が走るよりも速いので、接近してからの避難は困難

波の高さ陸地に近づくほど高くなる
波の長さ数百kmに及ぶこともある
海水量膨大

津波が押し寄せると、膨大な海水量によって被災した地域が水没したり、引き波であらゆる物が引き込まれたりし、甚大な被害が発生します。

波の高さが20~30cmの津波でも人が簡単に引き込まれますし、50cmもあれば車も引きこまれます。

防災コラム

東日本大震災では20mを超える津波も観測されており、数値からも被害の深刻さがうかがい知れるでしょう。

 

津波の高さと被害の関係について知るには、「津波警報の発表基準等と情報文のあり方に関する検討会」の資料が役に立ちます。

 

建物など沿岸での津波の高さ
港湾施設・港湾道路の冠水約70cm

海抜約1.3mから発生

人的被害約2mから発生

急増するのは4~5mから

住家流出・全壊約3mから発生

急増するのは約5~6mから

住家床下浸水約1~2mから発生
船舶被害・漁業施設被害約数十cmから発生

参考:津波の高さと被害の関係(平成23年東北地方太平洋沖地震の事例より)

 

上記のデータは沿岸での津波の高さです。

 

居住地まで津波が押し寄せた場合は、30cm程度でも人が簡単に引き込まれ、50cm程度で車が押し流されます。

液状化現象

液状化現象とは、地震の揺れの影響によって、地表付近に緩く堆積した砂質土の地盤が液体状になる現象です。

液状化 図

出典:建物における液状化対策ポータルサイト

埋立地、人工島、干拓地、砂丘など、地下水位が高く、緩く堆積した砂地盤で発生しやすく、上に立つ建物や地面に埋め込まれた物に被害を与えます。

被害具体的な内容
建造物住宅、ビル、橋梁などが沈下
埋込物地盤近くの下水道管やマンホールが浮上
移動人や物の移動に支障が生じる
給排水上下水道が破損し、給水や排水に支障が生じる

また、液状化した地面から水や砂が吹き上がる「噴砂」、傾斜や段差のある地形が液状化して泥水上の地盤が水平に移動する「側方流動」という現象が発生することもあります。

ライフラインの断絶

ライフラインとは、水供給施設、電気・ガスなどのエネルギー施設、交通施設、情報施設など、生活に欠かせないインフラ設備です。

大地震が発生すると、電気・ガス・水道などが止まり、道路や線路が破損して移動が困難になり、通信会社の基地局が被害を受けて電話やネットが使えなくなります。

ライフラインが断絶すると、平時に私たちの「当たり前」の生活が根幹から揺らぐことになるのです。

被害を受けたライフラインの復旧には日数を要するので、それまでは各自の備えや行政の支援に頼って生活するしかありません。

例えば、東日本大震災が発生したときは被災地域の水道・電気・ガスが止まり、約9割が復旧するまでに以下の日数を要しています。

ライフライン阪神淡路大震災東日本大震災
電気2日6日
水道37日24日
ガス61日34日

ライフラインの断絶を想定して備えておくのが備蓄品です。

備蓄品については、別の記事で詳しく解説しているので、備蓄品を備えておきたいと思っている人は参考にしてみてください。

必要な備蓄品のリスト一覧と水や食料を備える量、保管場所を防災士が解説

大規模地震の二次災害への対策

大規模地震の二次災害対策は、平時の対策と、地震発生時にする対策があります。

地震の二次災害対策:平時

  • 防災セットを備える
  • 室内の安全対策
  • ハザードマップで危険度を確認
  • 避難場所と避難経路の確認
  • 防災アプリのインストール
  • 感震ブレーカーの設置

防災セットを備える

他の災害対策と同じく、地震の二次災害対策の第一歩は防災セットを備えることです。

いつどこで被災しても最低限の対策を講じるための「防災ポーチ」、地震発生時に持ち出すための「持ち出し用防災セット」、避難中に使う「備蓄品」の3つをもれなく備えましょう。

各防災セットの備え方は、別の記事で詳しく解説しています。

防災セット詳細記事へのリンク
持ち歩き用防災ポーチ
持ち出し用防災セット
備蓄用防災備蓄品

室内の安全対策

在宅中に大地震が発生した場合の被害で多いのが、家具の転倒・落下・移動によるものです。

また、割れた窓ガラスが当たったり、床に飛散したガラスを踏んだりして怪我をするケースも少なくありません。

そのため、転倒などのおそれがある家具には専用の器具を設置し、窓ガラスにはガラス飛散防止フィルムを貼って、地震が発生しても室内で安全に過ごせる環境を整えることが大切です。

また、室内のレイアウトを変えて、安全スペースや避難経路を確保することも欠かせません。

室内の安全対策については、別の記事で詳しく解説しています。

家具の転倒防止におすすめの防災グッズ!賃貸住宅を傷つけず使えるグッズも紹介

ハザードマップで危険度を確認

ハザードマップというのは、災害種別ごとに被害の範囲や程度を表示した地図です。

各自治体が刊行物やウェブサイトで公表している他、国土交通省が運営するハザードマップポータルサイトでも閲覧できます。

地震ハザードマップを入手し、住んでいる地域の危険度を確認して、地域の特性に応じた備え方を検討しておきましょう。

MEMO

住んでいる地域で発生する災害が地震だけとは限りません。

 

ハザードマップは災害種別ごとに作成されているので、余裕があれば地震以外のマップも確認しておきましょう。

避難場所と避難経路の確認

地震発生時に素早く避難できるように、平時から避難場所とそこまでの経路を確認しておくことも大切です。

避難場所にたどり着けないと困るので、実際に避難経路を歩いておくことをおすすめします。

家族がいる場合、家族と一緒に避難場所と避難経路を確認しておきましょう。

注意

被害状況によっては、予定していた避難場所や避難経路が使えないことがあるので、第2候補、第3候補も決めておくことが大切です。

防災アプリのインストール

防災アプリというのは、災害発生時の情報収集や安否確認に役立つ機能を備えたアプリのことです。

平時のうちにスマホやタブレットにインストールして設定を済ませておけば、被災時に必要な情報がすぐ手に入り、迷わず使いこなすことができます。

参考までに、私が地震対策としてインストールしている防災アプリを載せておきます。

  • Yahoo!防災速報
  • わが家の防災ナビ
  • ゆれくるコール

その他に私がインストールしているおすすめアプリについては、別の記事で詳しく解説しています。

【2019年】無料防災アプリのおすすめランキング!自治体やヤフー等から防災士が厳選

防災アプリを必要なときに使うには、スマホのバッテリーを十分に確保しておく必要があります。

スマホを充電する器機は、スマホバッテリーや乾電池型充電器など種類がありますが、防災グッズとして備えるのに向いたものとそうでないものがあります。

スマホ充電用の防災グッズについては、別の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

スマホ充電用の防災グッズのおすすめを防災士が解説!手回し式を使わない理由

感震ブレーカーの設置

感震ブレーカーというのは、地震発生時に自動でブレーカーを落としてくれる防災グッズです。

地震が起こると誰でも少なからず動揺しますし、安否確認や自宅の被害確認、持ち出し用防災セットの準備などやることが多く、ブレーカーを落とし忘れる人が少なくありません。

平時のうちに感震ブレーカーを備えておけば、万が一、ブレーカーを落とし忘れても通電火災を防ぐことができます。

手軽に設置できる感震ブレーカーには、ばねタイプ、おもり玉タイプ、電気タイプの3種類あります。

防災生活では、価格が安くて設置が簡単なばねタイプまたはおもり玉タイプをおすすめしています。

地震の二次災害対策:地震発生時

  • 姿勢を低く、頭を守って、動かない
  • 避難の要否を判断
  • 自宅の被害状況を確認
  • ブレーカーなどの確認
  • 室内の安全対策
  • 災害情報の確認
  • 避難場所と避難経路の再検討
  • 防災セットの確認

姿勢を低く、頭を守って、動かない

地震が発生したら、まずは「姿勢を低く」、「頭を守って」、「動かない」という基本動作を確実に行い、身を守ります。

平時にShakeOut訓練などに参加しておけば、地震発生時にとっさに3つの動作をとりやすくなります。

シェイクアウト訓練とは?訓練のやり方と意味を防災士が解説

避難の要否を判断

地震の揺れが落ち着いたら、防災アプリやテレビ、ラジオなどで状況を確認し、避難の要否を判断します。

ポイントは、「避難が必要かもしれない」と思ったら、すぐ避難することです。

地震発生後に悩んでいる時間はありません。

避難するかどうか悩んでいる間にも二次災害が発生し、自分や家族の命がおびやかされる可能性があるので、少しでも危ないと感じたら避難を開始してください。

防災コラム

避難するかどうかの判断を迷う人は多く、それが被害拡大の一因となることがあります。

 

平成30年に発生した西日本豪雨でも、避難情報を確認して住んでいる地域が危険な状態にあることを理解しつつ、避難せず自宅待機を続けた人が少なくありませんでした。

 

「避難場所や避難経路が分からない」、「ペットと離れたくない。」など様々な理由がありますが、多かったのが「SNSやネットを確認すると、避難している人が少ない。」というものです。

 

つまり、「他人が避難していないから、自分も避難しなくて大丈夫だろう。」と考えた人が多かったのです。

 

また、「避難して何事も無かったらむなしい、恥ずかしい。」と考える人もおり、他人を意識して避難をしなかった人が目立ちました。

 

こうした教訓を踏まえると、災害発生時に適切かつ迅速に避難行動をとるには、一人ひとりが「避難の声掛け」をすることが重要と言えます。

 

そのためにはまず、自分自身が危険な状態になる前に避難するという意識を持つことが大切です。

自宅の被害状況を確認

自宅避難を検討する場合だけでなく、避難場所へ避難する場合にも、可能な限り自宅の被害状況を確認しておきましょう。

確認するポイントは、以下のとおりです。

  • 外観が傾いていないか
  • 室内が傾いていないか
  • 壁面や基礎に亀裂はないか
  • 窓ガラスやドアは傷んでいないか
  • 屋根瓦やソーラーパネルが落下していないか
  • 電気・ガス・水道が止まっていないか
  • 雨漏りしていないか
注意

あくまで身の安全が最優先です。

 

無理のない範囲で確認してください。

ブレーカーなどの確認

避難する場合は、通電火災を防ぐために、必ずブレーカーを落としてください。

感震ブレーカーを設置している場合でも、装置が作動したかどうかを確認しましょう。

安全対策として実行したいのは、以下の行動です。

対応箇所内容
電気電気機器の電源を切って電源プラグを抜く

ブレーカーを落とす

ガスガス器具の電源を切る

ガスの元栓を閉める

その他可燃物を電気機器やガス機器から遠ざける

室内の安全対策

大規模地震が発生した後は、高い確率で余震が起こります。

自宅避難をする場合は、以下のポイントに気をつけて、室内の安全確認を徹底してください。

  • 安全スペースと避難経路を確保する
  • 転倒・落下・移動の可能性がある家具を固定する
  • 開閉式の戸棚や本棚には開閉防止器具を取り付けるか中身を出す
  • 窓ガラスにガラス飛散防止フィルムを貼る
  • 保安灯を設置する
  • 初期消火の準備をする
MEMO

地震発生直後は防災グッズの注文が殺到し、欲しいグッズが手に入りにくくなります。

 

家具の固定器具などは、平時のうちに備えておくことをおすすめします。




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災害情報の確認

防災アプリなどを活用し、避難中も避難後もこまめに災害情報を確認します。

地震に限らず、災害発生時は一瞬で状況が大きく変わることがあるので、常に最新の情報を得る努力は欠かせません。

必要な情報が自動でプッシュ通知される防災アプリをインストールしておけば、逐一情報を検索する手間を省くことができます。

避難場所と避難経路の再検討

時間の経過とともに被害状況は変化するので、平時に決めておいた避難場所や避難経路が使えなくなることもあります。

最新の防災関連情報を踏まえ、1日に1回は避難場所と避難経路を再検討するようにしましょう。

1日に1回というのは多すぎる気がするかもしれませんが、規模の大きな余震が発生して即時避難するときに、安全な避難場所を見つけていないと命の危険があります。

防災セットの確認

自宅避難をしている場合は、避難行動をとる場合に備えて、防災セットの確認も大切です。

地震の揺れで自宅が被害を受けて防災セットが埋もれた場合、電気機器の動作やその他のグッズの損傷の有無を確認してください。

「未確認のまま持ち出したが、壊れていて使えなかった」ということにならないよう、丁寧に確認しましょう。

まとめ

大規模地震が発生すると、様々な二次災害が発生し、地震の揺れ以上に大きな被害が発生します。

そのため、地震に備える場合は、地震の揺れと二次災害の両方を想定しておく必要があります。

二次災害対策には平時にできることと災害発生時にできることがあり、前者については日頃から少しずつ取り組んでおくことが大切です。