災害の備えは平時から!防災グッズのある生活をもっと身近に!

必要な備蓄品のリスト一覧と水や食料を備える量、保管場所を防災士が解説

備蓄品 防災グッズ

この記事で分かること
  • 必要な備蓄品と選び方
  • 備蓄品を備える量
  • 備蓄品の保管場所

「被災者の多くが避難所や仮設住宅で生活する」と思われがちですが、実は自宅避難をする人がたくさんいます。

自宅の被害が少なくて済んだ場合だけでなく、被害を受けても避難所や仮設住宅ではなく自宅避難を続ける人も多いです。

MEMO

東日本大震災では各地に避難所が設けられましたが、避難所に居場所を確保できずに被災した自宅へ戻ったり、仮設住宅が建設された後も、自宅で生活を続ける在宅被災者が少なくありませんでした。

 

テレビや新聞では自宅避難者、2階生活者、ブルーシート族などと呼ばれ、支援の不十分さが指摘されるのを見聞きした人も多いのではないでしょうか。

自宅避難をする場合、重要になるのが事前の備えです。

災害が発生して電気、ガス、水道が止まり、必要なものが購入しにくくなった状況でも、生活を維持できるだけの備蓄をしておく必要があります。

備蓄品のリスト一覧(保管場所と量)

注意

備蓄品の備え方は、1ヶ所にまとめて備える方法と、自宅の色々な場所に備える方法があります。

 

自宅が被災した場合に備蓄品が全てダメになるリスクを抑えるには、色々な場所に分散させておく方法がおすすめです。

 

例えば、洪水で自宅が浸水して1階部分の備蓄品が使えなくなっても、2階部分の備蓄品を使うことができます。

 

リスク分散は防災でも重要なことです。

備蓄品 備える量 保管場所 持ち出し用
非常食 3~21食(3~7日分) キッチンの棚や収納
非常食+日常生活で使う商品
保存水 1につき1日2L×3~7日分+α ドアの裏、部屋の隅
カセットコンロで煮炊きするため多めに備える
簡易トイレ 1人につき3~21回分(3~7日分) トイレの棚や収納
子供や高齢者がいる場合は多めに
防臭袋 1家族につき2~3パック トイレの棚や収納 (★)
赤ちゃんや子供、高齢者がいる場合は多めに
ウェットティッシュ 1家族につき2~3パック 洗面所の棚や収納
ノンアルコール・無香料のもの
歯磨きシート 1家族につき2~3パック 洗面所の棚や収納 (★)
歯磨きは水を使うので、水がいらない歯磨きシートを備える
水なしシャンプー 1家族につき1~2ボトル 洗面所の棚や収納 (★)
髪のケアとストレスを軽くするため
ウォーターバッグ 1人につき1日2Lの水を確保できる容量 持ち出し用防災リュック (★)
例:2人家族なら6L×1、4人家族なら6L×2または10L×1
カセットコンロ 本体:1つ、ガスボンベ:3本程度 火気がなく室温が上がりにくい場所
ガスと電気が止まったときの調理・湯沸かし用
IHクッキングヒーター

IH対応調理器具

1つ キッチン
電気復旧後の調理や湯沸かし用
リアカー 1つ 玄関付近
備蓄品の持ち出し用

持ち出し用防災セットにも備える防災グッズには、★印をつけています。

持ち出し用防災セットに備える防災グッズについては、別の記事で詳しく解説しています。

持ち出し用防災セットの中身リスト一覧!最低限の防災グッズ14個+αを防災士が解説

MEMO

全ての備蓄品は、リスク分散のため、リストに示した保管場所だけでなく各部屋のクローゼットや収納にも備えておきましょう。

 

2階建て以上の場合、各階に分けて備蓄することをおすすめします。

注意

備蓄品リストでは、政府が推奨する3日~7日分の備蓄品の量を示しています。

 

しかし、大規模災害が発生するとライフラインの復旧に相当な時間がかかるので、備蓄品は日常生活の負担にならない範囲でできるだけ多く備えることが大切です。

 

阪神淡路大震災と東日本大震災の発生後、電気・水道・ガスが9割程度復旧するまでにかかった日数は、以下のとおりです。

ライフライン 阪神淡路大震災 東日本大震災
電気 2日 6日
水道 37日 24日
ガス 61日 34日
注意

備蓄品と持ち出し用の両方に備えている防災グッズは兼用できますが、災害発生直後は備蓄品から使うようにしてください。

 

地震などの自然災害は、一度おさまった後に再び大きな災害が発生し、避難が必要になることがあるからです。

 

例えば、地震の本震では何とか自宅避難ができる程度の被害で済んでも、その後の余震で自宅が倒壊するケースがあります。

備蓄品の備え方(ローリングストック法の活用)

防災セットは、以下の順番で備えるのが基本です。

  1. 持ち歩き用防災セット(防災ポーチ)
  2. 持ち出し用防災セット
  3. 備蓄品

緊急時にすぐ使う防災ポーチと持ち出し用防災セットをまず備え、それから備蓄品を準備します。

備蓄品は量が多く揃えるのに費用がかかるので、備え方を工夫しないと日常生活を圧迫し、防災意欲が低下するおそれがあります。

そのため、ローリングストック法を活用することが大切です。

日常生活で消費するものはローリングストック法で備える

ローリングストック法とは、「普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法(トクする!防災より引用)」です。

日常生活で使うものを最初に多めに買い、使った分だけ買い足していくので無駄なく備蓄することができます。

備蓄量を1週間分と決めておき、賞味期限や消費期限の近いものから使えば、期限切れの心配をする必要もありません。

何より普段から使うものを購入するだけなので、大きな負担を感じず確実に備えておけます。

MEMO

ローリングストック法による備蓄が向いているのは、日常生活の中で一定期間に一定量を使用する商品です。

 

例えば、非常食、保存水、乾電池、カイロ、ウェットティッシュ、赤ちゃんのミルクやおしりふきシート、カセットコンロ(ガスボンベ)などは、ローリングストック法による備蓄がやりやすいでしょう。

 

非常食や保存水は保存期間が長いので、保存期間の1年前くらいから使い始め、使い切る前に新しいものを購入するようにします。

備蓄品の備え方

災害はいつ起こるか分かりません。

それこそ「備蓄品を購入しよう」と思った翌日に大規模災害が発生する可能性もあります。

そのため、3日分の備蓄品は早めに備え、残りはローリングストック法で備えるのがおすすめです。

備蓄品 最初に備える(3日間用) ローリングストックで備える
3日分の非常食、保存水、簡易トイレ、ウェットティッシュ、歯磨きシート、水なしシャンプー、ウォーターバッグ、カセットコンロなど 残り4日分の非常食、保存水、簡易トイレ、カセットボンベなど
非常食は、調理がいらないアルファ米や乾パンなどを備える 日常生活で使用する食材などを備える(保存期間が長めのもの)

備蓄品の選び方と保管場所

備蓄品一つひとつの選び方と保管場所を解説していきます。

非常食

備蓄品の非常食は、アルファ米や乾パンなどの防災用非常食だけでなく、日常生活で使用するレトルト食品などもローリングストック法で備えます。

避難生活が長くなるほど、平時と同じように色々なものを食べたくなります。

災害発生時の食事は、単なる栄養補給ではなく、異常事態の中で一時の安息や喜びが感じられる機会でもあるので、家族が平時から好んで食べているものを多めに備えておきましょう。

非常食の中身
  • アルファ米
  • 乾パン
  • パン
  • お菓子
  • レトルト食品(カップ麺、レトルトカレーなど)
  • 野菜ジュース

レトルト食品は、ガスや電気を使わず調理できるものを選ぶことが大切です。

子供のいる家庭では、災害で精神的ダメージを受けた子供が笑顔になれるよう、好きなお菓子や食材を多めに入れておいてあげましょう。

子供が笑顔になると、周りの大人も元気になることができますよ。

注意

防災グッズの実食レビューは多いですが、非常食の好みは、平時の料理や食材よりも個人差が大きいです。

 

「おいしい」、「味わい深い」など他人のレビューをうのみにせず、一度は自分で食べて備えておくかどうか決めてください。

 

特に、子供がいる場合は、子供の口に合う非常食を選んであげましょう。

災害発生時には野菜が不足しがちになるので、長期保存用の野菜ジュースも欠かせません。

市販の防災セットには野菜ジュースが入っているものもありますが、備蓄品として多めに購入しておきましょう。

非常食の保管場所
  • キッチンの棚や収納、各部屋など
  • 自宅が被災しても非常食が全てダメにならないよう、分散して備える
注意

非常食にはアレルギー対応とそうでないものがあります。

 

アレルギーがある人は、必ずアレルギー対応の非常食を選ぶようにしてください。

 

市販の防災セットの中にもアレルギー対応でない非常食が入っていることがあるので、注意してください。

保存水

東日本大震災では、仙台市などの大都市でも約1週間かかり、被災地の水道が約9割復旧するまでに24日もの日数がかかっています。

給水車による支援は行われましたが、大規模災害が発生すると、長期にわたって水が入手しにくい状況が続く可能性は理解しておく必要があります。

もともと備蓄品は、行政の被災者支援が本格化するまでの「災害発生から72時間(3日間)」を生き抜くための備えです。

しかし、東日本大震災後後、大規模災害が発生すると行政の支援開始が大幅に遅れる可能性があることが指摘され、1週間分の備蓄を推奨する報告書が提出されています。

そのため保存水は、1人につき1日2~3Lを最低でも3日分、できれば7日分を備えておきます。

1人につき1日2Lの場合、1人なら3日で6L、7日で14Lです。

4人家族なら3日で24L(2Lのペットボトルが12本)、7日で56L(2Lのペットボトルが28本)も必要になります。

家族全員分の保存水を1ヶ所に備えるには広いスペースが必要です。

また、浸水などで全てダメになるリスクもあるので、リビングと全部屋に1日分ずつ備え、残りをクローゼットなどに入れておきましょう。

注意

ペットボトルの水は、市販の水と保存水で賞味期限が大きく異なります。

 

備蓄品には5~7年保存が可能な長期保存水を備えておきましょう。

水の種類 賞味期限
市販の水 1~1.5年
保存水 5~7年
保存水の保管場所
  • 各部屋のドアの裏、部屋の隅など

簡易トイレ

災害の影響で停電や断水が起こると、自宅避難していてもトイレが使用できなくなるので、簡易トイレは必要です。

災害発生時にはお風呂の水を張り、バケツなどに水を貯めておくのが基本ですが、それより前に断水してしまうこともあります。

持ち出し用防災セットにも入れておく防災グッズですが、自宅避難時にも使うことがあるので備蓄品としても準備しておきましょう。

簡易トイレは、便座+防臭袋(+凝固剤)をセットで準備しておきます。

簡易トイレの保管場所
  • トイレの棚や収納

防臭袋

防臭袋は消耗品なので、家族の人数×3回(1日分)×3~7日分を備えておきます。

防臭袋は、被災者の評価が高い驚異の防臭素材BOSがおすすめです。

「とにかくニオイがもれない」と評判の防臭袋で、避難所でも多くの人が使用しており、私も視察時などに持っていきます。

平時でも、赤ちゃんや高齢者のおむつなどを入れるのに病院や介護施設で使用されています。

防臭袋の保管場所
  • トイレの棚や収納

ウェットティッシュ

災害時の衛生用品の必需品がウェットティッシュです。

断水が解消されるまでは、食事前やトイレ後の手拭き、汗をかいたときの体ふきなど使い道が多いので、多めに備えておきます。

ノンアルコール・無香料のウェットティッシュを選びましょう。

MEMO

持ち出し用防災セットにも備えていますが、3~7日分には足りません。

 

特に、赤ちゃんや子供がいるとたくさん使います。

 

備蓄品には、2~3セットは購入しておきたいところです。

簡易トイレの保管場所
  • 洗面所の棚や収納

歯磨きシート

被災時には歯磨きを忘れがちですが、口内環境が悪化すると口臭、歯肉炎、虫歯などの原因になり、睡眠不足や食欲不振から体調不良に陥るリスクがあります。

水不足でも歯を磨くことができるよう、水のいらない歯磨きシートも家族分備えておきましょう。

MEMO

歯磨きシートは持ち出し用防災セットにも約1日分を備えているので、足りない分を備蓄品として足しておきます。

 

特に、赤ちゃんや高齢者がいる場合、口内環境の悪化が体調不良に直結しやすいので、必ず備えておきましょう。

歯磨きシートの保管場所
  • 洗面所の棚や収納

水なしシャンプー

髪のベタツキや汚れは不快感を生じさせ、不快感はストレスになります。

被災した極限状態でストレスを感じ続けると精神的に不安定になるので、できるだけケアしておきたいところです。

断水して洗髪用の水が使えないことがあるので、水なしシャンプーを備えておくと安心です。

歯磨きシートの保管場所
  • 洗面所の棚や収納

ウォーターバッグ

ウォーターバッグは、給水車などから水を入れて持ち帰るために必要な防災グッズです。

自宅避難でも、断水すると外から水を確保しなければなりません。

持ち出し用防災セットに入れてあれば、自宅避難時にも使うことができるので、新たに購入する必要はありません。

MEMO

災害発生時は、断水に備えてウォーターバッグにも水を貯めておきます。

 

災害がおさまり、自宅の被害が自宅避難できる程度であることを確認した上で、持ち出し用防災セットから取り出すようにしてください。

歯磨きシートの保管場所
  • 防災リュックの中

カセットコンロ

カセットコンロは、電気やガスが使えなくなったときに使用します。

お鍋やすき焼き、しゃぶしゃぶなどで使用する家庭も多いですが、なければ防災用に備えておきましょう。

暖かい料理を作ったり、お湯を沸かしたりするのに使えるので、自宅避難が長引くほど重要度が高くなる備蓄品です。

特に、ローリングストック法で非常食以外の食料を備蓄している場合には、カセットコンロがないと調理ができません。

東日本大震災では、被災地のガスが約9割復旧するのに34日もかかっており、今後も大きな災害が発生すれば同じくらいガスが使えなくなる可能性があります。

そのため、カセットコンロとガスボンベを購入し、いざというときに備えることは重要です。

カセットコンロの保管場所
  • 火気がなく室温が上がりにくい場所

IHクッキングヒーター・IH対応調理器具

東日本大震災では、被災地の電気の約9割が復旧するまでに6日かかっていますが、水道の24日やガスの34日と比べると早く復旧していることが分かります。

また、熊本地震では約5日、北海道胆振東部地震では約2日でほぼ被災地全域で停電が復旧しています。

地域差や災害の発生場所や規模などの要因に左右されますが、過去の災害を振り返る限り、電気は他のライフラインと比べて早く復旧しやすいと言えます。

IHクッキングヒーターとIH対応調理器具を備えておけば、電気さえ復旧すれば湯沸かしや料理ができるようになります。

カセットコンロは、ガスボンベがなくなると使用できませんが、IHクッキングヒーターと対応器具があれば、電気復旧後は平時と同じく料理ができます。

IH器具は高いと思われがちですが、1万円以下で購入できて使いやすい商品も販売されているので、1つ購入して平時から使用しておくと安心です。

カセットコンロの保管場所
  • キッチン

リアカー

備蓄品は、災害が落ち着いた後に自宅から持ち出すことができれば、避難所で使うこともできます。

避難所に備蓄品を持ち込むときに役立つのが、リアカーです。

備蓄品は、カバンに入れて一度に持ち運べる量ではないので、リアカーに積んでまとめて運べると便利です。

リアカーの保管場所
  • 玄関付近

まとめ

備蓄品は、災害発生から行政の本格的支援が始まるまでの間、家族の生活を守るために備えるものです。

自宅避難だけでなく、避難所生活にも役立つので、防災ポーチと持ち出し用防災セットと一緒に備えるようにしてください。

注意

「自宅が被害を受けたら備蓄品は使えない」と思っている人が多いですが、誤解です。

 

「備蓄品=自宅避難用」という情報も見かけますが、よく読むと防災セットの購入を促す布石であることが分かります。

 

実際のところ、自宅が被災して自宅避難は難しくても、備蓄品は持ち出せるケースがあります。

 

テレビでは、自宅に貴重品などを取りに帰る被災者の様子がよく流されますが、こうした機会に備蓄品を持ち出すことができます。

 

備蓄品は避難所生活を快適に過ごすためにも役立つので、是非、備えておいてください。