- 地震の一時災害の種類
- 二次災害との違い
- 地震発生時の防災対策
大規模な地震が発生すると、私たちの生活に大きな被害が出てしまいます。
地震の被害には、地震動(地震の揺れ)によって生じる一次災害と、そこから派生してもたらされる二次災害があります。
この記事では、地震動による被害(一次災害)の種類と具体例、一次災害対策について解説します。
一次災害と二次災害の違い
まず、地震によって生じる一次災害と二次災害の定義と違いについて解説しておきます。
被害の種類 | 定義 |
一次災害 | ある災害によってもたらされる被害 |
二次災害 | 一次災害の発生を機に派生的または連鎖的に発生した災害によってもたらされる被害 |
二次災害については、別の記事で詳しく解説しています。
地震の一時災害とは
地震の一時災害とは、地震の揺れによってもたらされる被害です。
大地震の一次災害の種類
地震によって起こる主な一次災害には、以下のようなものがあります。
- 建物などの倒壊
- 地すべり
- 地盤の液状化など
地震の一次災害は、地震の揺れ(地震動)が強いほど大きくなる傾向があります。
また、ある地域における地震動の強さ(震度)は、原則として、地震の規模(マグニチュード)、震源からの距離、地盤の構造で決まり、同じ地震でも地域によって異なります。
ただし、巨大地震(マグニチュード8以上)でなくても、都市直下型地震の場合、震源周辺に甚大な被害が生じることになります。
また、実際に大規模な地震が発生すると、一次災害に連鎖するように様々な二次災害が複数発生し、さらに被害を拡大させます。
地震に関する基礎用語をまとめておきます。
用語 | 説明 |
震度 | 地震発生時におけるある場所の地震の強さ。 気象庁震度階級では震度0から震度7までの10段階で表示 ※震度5及び6は、震度5弱と震度5強、震度6弱と震度6強が設定されている |
マグニチュード | 地震そのものの規模(強さ) |
都市直下型地震 | 内陸型地震のうち、大都市の直下を震源として甚大な被害をもたらす地震を表す用語(地震学上は定義されていない。) |
都市直下型地震など自身の種類については、別の記事で詳しく解説しています。
以下、大規模地震の被害(一次災害)について、個別に解説します。
地震の被害(一次災害):建物などの倒壊
大地震が発生すると、強い揺れによって建物などが倒壊します。
柱組が折れたり壁が崩れたりして建物が損傷・崩壊し、在宅していると下敷きになってしまいます。
特に危険なのが、1981年5月31日までに建築確認申請をした建物です。
建築確認とは、建物の新築・増改築・大規模修繕・模様替え・用途変更などの際に、建築関連法令に適合しているか否かの審査を受ける手続きです。
建築確認で法令に適合していると判断されないと、工事を開始することができないことになっています。
建築確認申請では、耐震基準も審査の対象となっています。
しかし、1981年の建築基準法改正時に規定された現行の耐震基準(新耐震基準)とそれ以前の耐震基準(旧耐震基準)では規準の厳しさが大きく異なります。
旧建築基準で建築確認申請が通った建物は、新建築基準で申請が通った建物よりも地震に弱く、震度6強以上の地震が発生すると倒壊するおそれがあります。
耐震基準とは、建築基準法や建築基準法施行令で規定されている、「建築物を設計する時に、ある強さの地震が起きても倒壊・損壊しない程度の耐震性があることを保証し、建築を許可する基準」です。
耐震基準は地震保険の保険料にも関わってくるので、基本的な内容は理解しておきましょう。
建物などの倒壊の対策
建築確認申請が行われた年月日を確認し、1981年5月31日以前(旧耐震基準で審査を受けている)であれば、建物の耐震診断を受けて耐震改修を検討する必要があります。
なお、新耐震基準が適用される1981年6月1日以降に建築確認申請を受けている場合も、申請日が2000年5月31日までの場合は注意が必要です。
阪神・淡路大震災を踏まえて、2000年に建築基準法及び建築基準法施行令が改正され、同年6月1日以降はより厳しい耐震基準が設定されました。
つまり、2000年5月31日以前の耐震基準は阪神・淡路大震災が起こる前のもので、現行の基準と比較すると緩いところがあるのです。
したがって、大地震によって倒壊や崩落はしなくても、大きく損傷するおそれはあるので、地震保険への加入は検討しておきたいところです。
地震保険は、損害保険会社によって内容や料金に違いがありません。
また、必ず火災保険とセットで加入しなければなりません。
そのため、地震保険に加入するときは、火災保険の内容や料金を比較検討することになります。
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地震の被害(一次災害):地すべり
地すべりとは、地下水と重力の影響によって、斜面を構成する土砂や岩盤の一部または全部がすべり面を境に下方へと移動する現象です。
異なる硬さの地層の境目などに形成されたすべり面より上の土砂や岩盤が、地震の振動の影響で文字通り「滑り落ちる」のです。
大量の土の塊がまとまって移動するので、地すべりに巻き込まれた地域には深刻な被害がもたらされます。
地すべり対策
地すべりについて個人ができる防災対策としては、「地すべりを含む土砂災害の影響が少ない地域に住むこと」が挙げられます。
しかし、すでに地滑りの危険がある地域に住んでいる場合、転居することは現実的ではないでしょう。
地すべりの可能性がある地域に住んでいる場合は、大地震発生時に、地すべりに巻き込まれるおそれが少ない避難場所や避難経路を確保しておくことになります。
また、スマホに防災アプリをインストールし、正確な災害情報を迅速に入手できるようにしておくことも大切です。
さらに、地滑りの前兆についても知っておくことも重要な防災対策になります。
- 地面のひび割れや陥没
- 地面の亀裂や段差
- 鉄砲水
- 木や電柱が傾く
- 地鳴り
- 山鳴り
地震の被害(一次災害):地盤の液状化
液状化とは、地震発生時、地表付近の水を含んだ砂質土(砂の地盤)が地震動によって液体状になる現象です。
液状化が発生しやすいのは、以下のような場所です。
- 埋立地
- 干拓地
- 河川の埋立地
- 砂丘
- 砂州間の低地など
海沿いの低湿地に限らず、「地下水位が高く、ゆるく堆積した砂地盤」の土地は、要注意です。
これらの土地は、地下に同じ成分や大きさの砂からなる土(地盤)があり、そこが地下水で満たされやすくなっています。
こうした土(地盤)は、砂粒子同士が結合して押し合い、砂粒子間が地下水で満たされて安定しています。
しかし、繰り返し地震の揺れが起こると地下水の圧力が高まり、砂粒子がばらけて水に浮いた状態になり、水よりも比重が重い砂粒は沈んで水と分離して地盤沈下や亀裂が起こります。
液状化が起こると、舗装道路や建物などが破壊されて沈む一方で、下水道管などが浮き上がるなど、大きな物的被害が発生する上、交通や人の移動にも支障が及びます。
- 住宅、ビル、橋梁などが沈下
- 下水道管やマンホールが浮上
- 噴砂現象(地面から水や砂が吹き上がる)
液状化現象の発生例
2000年以降では、以下のような地震によって液状化が発生しています。
- 新潟県中越地震(2004年)
- 東日本大震災(2011年)
- 熊本地震(2016年)
- 北海道胆振東部地震(2018年)
液状化対策
液状化対策は、住む場所や家を建てる場所を決める前に、液状化しにくい土地を選ぶところから始まります。
市区町村役場や図書館に所蔵されているボーリング調査結果や地形図などを確認し、液状化しにくい場所を選びます。
また、ハザードマップを確認するとともに、現地を目視で確認することも忘れてはなりません。
ボーリング調査とは、掘削機で地盤に孔を開け、そこから採取した土質試料などで地質調査を行うことです。
調査結果はボーリング柱状図に表示されます。
住宅を建てる場合、事前に敷地の地盤調査などを実施して液状化判定を行います。
地盤の強度に問題がある場合、地盤の改良、建物の形状(バランスを重視するなど)、軽い資材の使用して建物を軽くする、堅固な地盤まで杭を打つなどの方法を検討します。
いずれの方法も相応の費用がかかるため、土地選びが非常に重要です。
なお、住宅を建てた後は、地盤の維持管理を定期的に行うとともに、リスク対策として地震保険への加入を検討しましょう。
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まとめ
大規模な地震が発生すると、強い地震の揺れによって様々な一時災害が発生します。
一時災害にはそれぞれ個別の防災対策があるので、自分の住んでいる地域のリスクを把握し、被害を最小限に抑える備えをしておきましょう。
また、地震による建物や家財の被害を抑えるには、地震保険に加入する必要があります。
地震保険は火災保険とセット加入する必要があるので、加入する場合は火災保険を比較検討して損害保険会社を選ぶようにしましょう。
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【参考】