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風水害とは?大雨や台風がもたらす災害の種類と被害は?

風水害

この記事で分かること
  • 風水害とは何か
  • 風水害の種類と被害

日本で発生する様々な自然災害は、気象災害と地象災害の2つに分類されます。

自然災害説明
気象災害大気中に生じる様々な自然現象によって発生する自然災害
地象災害地震、火山現象、気象と密接に関連する地面や地中の現象による災害

気象災害のうち、日本で夏から秋にかけて発生しやすいのが風水害です。

台風や豪雨災害が代表的な例ですが、それ以外にも様々な風水害が日本全国で発生し、人的・物的に大きな被害をもたらしています。

この記事では、風水害の概要、風水害の種類と被害について解説します。

風水害とは

風水害とは、強風と大雨によってもたらされる災害です。

台風によってもたらされることが多く、台風災害と呼ぶこともあります。

日本では、毎年のように台風や発達した温帯低気圧に伴う暴風雨の影響で風水害が発生し、大きな被害を受けています。

雨による被害の方が風による被害よりも大きいことが多いですが、風の影響で高潮や高波が発生して被害を拡大させることがあります。

日本における主な風水害は、以下のとおりです。

  • 大雨(豪雨)
  • 洪水害
  • 内水氾濫(浸水害)
  • 高潮害
  • 土砂災害
  • 台風
  • 竜巻

以下、個別に解説していきます。

大雨(豪雨)

日本では、毎年、大雨(豪雨)によって大きな被害が発生しています。

特に、季節の変わり目には梅雨前線や秋雨前線が停滞する影響で大雨になりやすいです。

また、7月~10月は台風シーズンで、毎年、多くの台風が日本に接近・上陸し、深刻な風水害が発生します。

雨量について

テレビの天気予報で見聞きすることが多い「mm(ミリメートル)」は、1時間雨量(1時間に雨量計に溜まった雨の量)に基づいて算出されています。

気象庁ホームページには、1時間雨量ごとに使用する予報用語や、人が受ける影響、屋内外の様子などについての一覧表が掲載されています。

1時間雨量
(mm)
予報用語人への影響屋外の様子車に乗っていて
10以上~
20未満
やや強い雨地面からの跳ね返りで足元がぬれる地面一面に水たまりができる
20以上~
30未満
強い雨傘をさしていてもぬれるワイパーを速くしても見づらい
30以上~
50未満
激しい雨道路が川のようになる高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象)
50以上~
80未満
非常に
激しい雨
傘は全く役に立たなくなる水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる車の運転は危険
80以上~猛烈な雨

出典:気象庁|予報用語 雨の強さと降り方

気象庁は、大雨によって発生すると予想される災害の内容や規模によって、気象注意報、気象警報、特別警報を発表します。

種類発表される基準
気象注意報災害が起こるおそれがある
気象警報重大な災害が起こるおそれがある
特別警報重大な災害が起こるおそれが著しく大きい

大雨で発表される可能性があるのは、大雨注意報、洪水注意報、大雨警報、洪水警報、大雨特別警報などです。

ただし、地域によって年間平均雨量や地形、気候などが異なるので、発表の基準は地域によって異なります。

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洪水害(河川氾濫)

洪水害とは、台風、大雨・豪雨、融雪などにより河川の流量が異常に増加し、堤防の浸食や決壊などで氾濫し、氾濫水が市街地などに流れ込んで建物や道路が水浸しまたは水没する災害です。

雨量、発生場所や地形などによっては流れ込んだ水が長期間に留まることもあり、建物や農作物、交通網などに深刻な被害をもたらします。

内水氾濫(浸水害)

内水氾濫とは、雨の量が排水路や下水管の雨水処理能力を上回ったり、雨水による河川水位の上昇により市街地などの水を河川に排出できなくなったりし、市街地などに水が溢れる災害です。

内水氾濫が発生しやすいのは、下水道や排水路の雨水処理能力が低い地域や、標高が低く堆積が少ない地域などです。

また、周辺よりも相対的に低い地域や場所(地下街、地下室、地下通路など)は、河川から距離があっても浸水害のおそれがあります。

津波や高波、洪水などと比較すると人や建物が流されるなどの被害は少ないですが、人口が密集した都市部で発生しやすく、建物の浸水、道路の通行制限、交通網の麻痺など大きな影響が出ます。

内水氾濫については、別の記事で詳しく解説しています。

内水氾濫とは?外水氾濫との違いは?都市型水害(内水被害)の対策を解説

高潮害

高潮害とは、台風や発達した低気圧の接近によって海水面が上昇し、海水が堤防を越えて陸地に浸入することで起こる災害です。

高潮は、吸い上げ効果と吹き寄せ効果という2つのメカニズムで発生します。

メカニズム説明
吸い上げ効果台風などの影響による大気圧低下に伴い、潮位が吸い上げられるように上昇
吹き寄せ効果台風などの影響で強風が沖から海岸へ吹き、海水が海岸に吹き寄せられて潮位が上昇

大量の海水が市街地へ流れ込むことにより、甚大な被害がもたらされます。

例えば、浸入した海水に人や車が押し流される、建物が浸水したり損壊したりする、道路・線路・滑走路が冠水して交通が麻痺する、ライフラインが途絶するなどの被害が発生します。

また、農業などの第一次産業に深刻な被害を与え、家事が発生することもあります。

被害が拡大しやすいのは、高潮と満潮が重なった場合や、高潮で潮位が高くなった上に高波が発生した場合です。

こうした場合、普段は波が届かない場所にまで波が押し寄せることがあるからです。

高潮については、別の記事で詳しく解説しています。

波浪の意味とは?高波や高潮の違い、波浪警報・注意報の発表基準を解説

土砂災害

土砂災害とは、大雨や地震などの影響で発生する、土石流、地すべり、がけ崩れなど土砂による災害の総称です。

土石流

土石流とは、集中豪雨や長雨の影響により、山腹や谷底に堆積した土砂や石が一気に斜面や谷を流れ落ちる現象です。

大量の土砂や石が時速20~40kmで流れ落ち、下流にある建物や道路、田畑などに壊滅的な被害を与えます。

地すべり

地すべりとは、土層の中に形成された「すべり面」よりも上にある土石層の一部または全部が、大雨などの影響で下方へと滑り落ちる現象です。

移動速度は緩やかですが、移動する土石の量が多いので、一度発生した地すべりを食い止めるのは困難で、下方地域に甚大な被害をもたらします。

崖崩れ

崖崩れとは、山の斜面や急傾斜の崖などにある土砂や岩石が、大雨などの影響で急に崩れ落ちる現象です。

突然崩落する上に土砂などの移動速度が速いので、崖崩れを目視してから避難することは困難です。

土砂災害については、別の記事で詳しく解説しています。

土砂災害警戒区域・特別警戒区域・危険箇所の違いは?土砂災害の種類も解説

台風

台風とは、熱帯低気圧のうち、北西太平洋または南シナ海上にあり、低気圧域内の最大平均風速が17メートル/秒(34ノット、風速8)を超える空気の渦です。

台風の規模を示す目安は、「大きさ」と「強さ」で表現されます。

項目説明
台風の大きさ風速15m/s以上の半径が

・500km以上~800km未満⇒大型

・800km以上⇒超大型

台風の強さ最大風速が

・33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満⇒強い

・44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満⇒非常に強い

・54m/s(105ノット)以上⇒猛烈な

例えば、気象予報では「大型で猛烈な台風」などと読み上げられ、具体的な数値は伝えられません。

台風の大きさや強さは常に変化しており、ある時点での台風の勢力が弱くても、住んでいる地域へ接近することには強まっている恐れがあるので、こまめに気象情報を確認しておく必要があります。

台風による被害は、暴風によるものよりも台風に伴う大雨による被害の方が大きい上、台風が何百kmも離れていても大雨が降ることがあり、通り過ぎるまでは油断できません。

台風による主な被害は、大雨による河川氾濫や内水氾濫、高潮による堤防の損壊・決壊、強風による転落や飛来物、住宅の浸水・倒壊、冠水、土砂災害など多岐にわたります。

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竜巻

竜巻とは、積乱雲に伴う上昇気流が発生させる、空気が激しく渦巻く現象です。

意外かもしれませんが、季節や地域を問わず台風、寒冷前線、低気圧に伴って年に数十個は発生しており、特に、台風シーズンである9月と10月に発生しやすくなっています。

直径は数十mから数百m程度であり、短い時間で自然消滅するなど、他の気象災害と比較すると規模が小さいですが、暴風によって局地的に大きな被害をもたらします。

日本ではあまりなじみがなく、備えるべき災害だと認識していない人が多いので、発生した場合に適切な行動がとれず被害が拡大することがあります。

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まとめ

日本では毎年、梅雨時から台風シーズンにかけて風水害が発生し、大きな被害を受けます。

風水害の多くは、事前の備えがあれば被害を最小限に抑えることができるので、風水害の種類と被害を知り、それぞれに対応した対策を講じておきましょう。

【参考】