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防災の日(9月1日)の由来を解説!2019年のイベントと全防災記念日も紹介

防災の日

この記事で分かること
  • 防災の日の由来
  • その他の防災記念日
  • 2019年の防災イベント

9月1日は「防災の日」ですが、由来は知っていますか。

災害大国の日本では、防災の日をはじめとして、防災に関する記念日や期間がいくつも設定されており、それぞれに由来があります。

また、防災関連の記念日や期間には、防災意識を高めるための様々なイベントが開催されています。

防災の日とは

防災の日とは、国民が地震などの災害について認識を深め、災害に対処するための心構えや備えを確認するために設定された日本の記念日です。

防災の日の創設に関する閣議了解の記録には、以下のとおり記載されています。

政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備するため、「防災の日」を創設する。

「防災の日」は、毎年9月1日とし、この日を中心として、防災思想の普及、功労者の表彰、防災訓練等これにふさわしい行事を実情に即して実施する。

引用:「防災の日」の創設について|昭和35年6月17日 閣議了解

防災の日は何月何日か

防災の日は9月1日です。

2019年の防災の日

防災の日は毎年9月1日であり、2019年も9月1日が防災の日です。

9月1日を含む「8月30日から9月5日まで」は防災週間と定められています。

3月にも防災の日があるか

企業で開催している防災講義で「防災の日はいつですか。」と質問すると、受講者の多くが「3月11日」と答えます。

3月11日というのは、2011年に東日本大震災が発生した日です。

3月に防災の日はありませんが、東日本大震災以降、災害や防災という言葉から3月11日を想起する人が多くなっているようです。

ちなみに、東日本大震災が発生するまでは、「1月17日(阪神淡路大震災の発生した日)」と回答する人が多かったです。

MEMO

3月には、防災用品点検の日という「防災グッズを見直す日」が設定されています。

防災用品点検の日については、別の記事で詳しく解説しています。

防災セットの点検!防災グッズの点検項目と時期・頻度を防災士が解説

11月にも防災の日はあるか

防災の日が11月だと思い込んでいる人もいます。

これは、11月5日の津波防災の日と防災の日を混同していると思われます。

津波防災の日は、東日本大震災の後、津波から国民の生命を守ることを目的として「津波対策の推進に関する法律」が制定され、その中で設定された防災関連記念日です。

MEMO

1854年に発生した安政南海地震の発生日にちなんで、11月5日に設定されました。

 

安政南海地震は、中部地方から九州地方の太平洋沿岸に大きな津波被害をもたらした地震です。

 

「稲むらの火」のモデルになったことでも有名です。

防災の日の由来

防災の日が制定されたのは、1960年です。

防災の日が9月1日になった理由は、2つあります。

  • 関東大震災の発生した日が9月1日
  • 二百十日と9月1日がほぼ一致

防災の日の由来:関東大震災の発生した日が9月1日

防災の日の由来の第1は、1923年9月1日に関東大震災が発生したことです。

関東大震災は、日本の災害史上最悪の10万人を超える死者や行方不明者を出した地震です。

防災の日の由来:二百十日と9月1日がほぼ一致

防災の日の由来の第2は、暦上、台風が多く発生する二百十日(立春から210日目)と9月1日がほぼ一致することです。

気象庁の気象統計を確認すると、台風が日本へ接近・上陸するのは7~10月頃が多いことが確認できます。

MEMO

防災の日が制定される前年の1959年9月、伊勢湾台風が日本に接近・上陸して5000人を超える死者や行方不明者を出しました。

このことも、防災の日が9月1日に決まる要因となっています。

防災の日のイベント

防災の日や防災週間には、住民の防災意識の向上や、防災知識の普及・啓発を目的としたイベントが全国各地で開催されます。

例えば、毎年、防災訓練、防災関係の講演会・展示会、防災功労者の表彰式が行われています。

防災の日のイベント(2019年)

イベント開催地日時
しんじゅく防災フェスタ2019東京9月1日(日)11:00~16:00
あいちシェイクアウト訓練愛知9月1日(日)12:00
大阪880万人訓練大阪9月5日(木)11:00

その他の防災の日イベントについては、TEAM防災ジャパンをご確認ください。

防災の日のイベント(2018年)

2018年に開催された防災の日の主なイベントは、以下のとおりです。

  • 赤坂消防署防災救急フェア(9月1日):救命措置体験や地震体験など防災に関する体験ができるイベント
  • しんじゅく防災フェスタ2018(9月2日):ブース、防災体験、パフォーマンスステージなど
  • 大阪880万人訓練(9月5日):大規模な防災訓練
  • シェイクアウト訓練:全国各地で実施される、同日同時刻に多人数が参加して行う防災訓練

他にも、全国各地で様々な防災の日イベントが開催されています。

防災だけでなく、子どもが楽しめる催し物や体験が準備されているイベントも多いので、親子連れでも参加しやすいものです。

また、防災の日には全国的にシェイクアウト訓練が実施され、毎年、多くの人が参加しています。

シェイクアウト訓練については、別の記事で詳しく解説しています。

シェイクアウト訓練とは?訓練のやり方と意味を防災士が解説

防災関係の記念日・週間一覧

日本における防災に関連する記念日や週間は、防災の日だけではありません。

阪神・淡路大震災をきっかけに定められた防災とボランティアの日や防災とボランティア週間をはじめ、数々の記念日や週間があります。

防災関連の主な記念日は、以下のとおりです。

  • 1月17日:防災とボランティアの日
  • 1月15日~1月21日:防災とボランティア週間
  • 1月26日:文化財防火デー
  • 3月1日~3月7日:春の全国火災予防運動
  • 3月1日~3月7日:建築物防災週間
  • 3月7日:消防記念日
  • 5月1日~5月31日:水防月間
  • 6月1日~6月7日:がけ崩れ防災週間
  • 6月1日~6月30日:土砂災害防止月間
  • 6月第2週:危険物安全週間
  • 7月1日~7月7日:全国安全週間
  • 8月25日~8月31日:道路防災週間
  • 8月30日~9月5日:建築物防災週間
  • 8月30日~9月5日:防災週間
  • 9月1日:防災の日
  • 9月9日:救急の日
  • 9月9日を含む日曜日から土曜日まで:救急医療週間
  • 11月5日:津波防災の日
  • 11月9日:119番の日
  • 11月15日:秋の全国火災予防運動
  • 12月1日~12月7日:雪崩防災週間

防災とボランティアの日(1月17日)と防災とボランティア週間(1月15日~1月21日)

防災とボランティアの日とは、1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生した後、同年の12月に制定された記念日です。

阪神・淡路大震災の発生時、政府や行政の対応が遅れたのに対して、ボランティアが救助活動や被災地支援に大きく貢献しました。

このことを踏まえ、「ボランティア活動への認識を深め、災害への備えの充実強化を図る」目的で制定されたのが防災とボランティアの日です。

また、1月17日を含む一週間(1月15日~1月21日)が防災とボランティア週間に定められています。

この1週間には、災害発生時の防災活動やボランティア活動の普及を目的とした講習会、講演会、展示会などが全国各地で実施されます。

文化財防火デー(1月26日)

文化財防火デーとは、「日本の文化財を火災などの災害から守り、また、日本国民の文化財を大切にする気持ちの向上を図る」目的で制定された記念日です。

1949年1月26日に、法隆寺(世界最古の木造建造物)で火災が発生したのをきっかけに、1955年に制定されました。

文化財防火デーの前後では、全国各地で防火訓練などの文化財防火運動が行われます。

全国火災予防運動(3月1日~3月7日、11月9日~11月15日)

全国火災予防運動とは、「火災予防意識を普及させるとともに、実際の火災発生を予防すること」を目的とする啓発運動です。

毎年、春季(3月1日~3月7日)と秋季(11月9日~11月15日)に実施されており、「春の全国火災予防運動」と「秋の全国火災予防運動」と呼ばれています。

アメリカ合衆国のFire prevention weekにちなんで制定された運動で、期間中は、全国各地で火災予防に関する広報活動や消防訓練などが実施されます。

MEMO
少し期間をずらして実施している地域もあります。

建築物防災週間(3月1日~3月7日、8月30日~9月5日)

建築物防災週間とは、「建築物に関する防災知識の普及や、防災に関する法令・制度の周知を図り、建築物の防災対策を推し進める」目的で制定されています。

1960年以降、毎年2回実施されています。

内容
上期(8月20日~9月5日)防災の日や防災週間と連動して地震対策が中心
下期(3月1日~3月7日)春の全国火災予防運動と連動して防火や避難対策が中心

消防記念日(3月7日)

消防記念日とは、「消防に関する理解と認識を深める」目的で制定された記念日です。

1948年3月7日に消防組織法が制定された後、1950年に3月7日が消防記念日と制定されました。

消防庁で式典が開催される他、全国各地で消防訓練や消防活動に貢献した人の表象が行われます。

水防月間(5月1日~5月31日)

水防月間とは、「梅雨や台風の時期を迎えるにあたって、水防の意義や重要性の理解を深める」目的で制定された期間です。

1986年に実施された台風の接近・上陸時の水防活動が契機になっています。

水防月間中は、水防訓練(水防演習・訓練・講習会など)、連絡会(政府が水防に関する自治体や組織と情報伝達体制を確認する)、河川管理施設の点検、水防月間の広報などが行われます。

MEMO

北海道では、その他の地域より1ヶ月遅い、6月1日~6月30日が水防月間に定められています。

土砂災害防止月間(6月1日~6月30日)、がけ崩れ防災週間(6月1日~6月7日)

土砂災害防止月間とがけ崩れ防災週間とは、土砂災害が増加する梅雨前に、「土砂災害防止に対する関心や理解を高め、土砂災害から命や財産を守ること」を目的に定められた期間です。

1982年に発生した集中豪雨をきっかけに、1983年に制定されました。

土砂災害防止月間中は、全国各地で土砂災害に関する知識の普及、土砂災害危険区域の点検、警戒避難訓練などが行われています。

危険物安全週間(6月の第2週)

危険物安全週間とは、夏になって危険物の自然発火による火災が増加する前に、「危険物を取り扱う事業所に保安体制確立を呼びかけるとともに、一般人の危険物に対する意識を高める」目的で定められた期間です。

1990年に、6月の第2週の日曜日から土曜日までと定められました。

危険物安全週間中は、講習会、研修会、危険物保安功労者の表彰などが行われています。

全国安全週間(7月1日~7月7日)

全国安全週間とは、「職場における労働災害防止活動の確認・推進と、安全意識の向上と安全活動の定着を図る」目的で定められた期間です。

全国安全週間中は、スローガンが掲げられたり、安全に関する講習会などが行われたりしています。

道路防災週間(8月25日~8月31日)

道路防災週間とは、「道路防災に関する知識普及と意識向上を図る」目的で制定された期間です。

1992年から本実施されており、期間中は、道路防災に関する講演会や展示会、防災訓練などが行われています。

救急の日(9月9日)、救急医療週間(救急の日を含む日曜日から土曜日までの一週間)

救急の日及び救急医療週間とは、「救急医療と救急業務に関する理解と認識を深め、救急医療関係者の意識の向上を図る」目的で定められた記念日及び期間です。

「救急」と「99」をかけて、1982年に定められました。

救急の日と救急医療週間には、救急法の講習会、救急医療システムや救急搬送システムの利用方法の実習、救急医療関係者の表彰などが行われています。

津波防災の日(11月5日)

津波防災の日とは、「津波対策に関する意識と理解を向上する」目的で制定された記念日です。

甚大な津波被害が発生した、2011年3月11日の東日本大震災を教訓にして、同年6月に「津波対策の推進に関する法律」が制定されました。

この法律において、津波対策の実施とともに定められたのが津波防災の日です。

津波防災の日には、全国各地で津波を想定した防災訓練やシンポジウムが行われています。

119番の日(11月9日)

119番の日とは、「消防に対する理解と認識を深め、防災意識の向上を図る」目的で定められた記念日です。

1987年に、救急機関への緊急通報用の電話番号「119」と「11月9日」をかけて定められました。

秋の全国火災予防運動の初日と重なっており、119番通報の正しい使い方に関する講習などが行われています。

雪崩防災週間(12月1日~12月7日)

雪崩防災週間とは、降雪・積雪が本格化する前に、「雪崩災害の防止や被害軽減の重要性に対する理解と認識を向上する」目的で定められた期間です。

雪崩防災週間中は、全国各地で雪崩災害防止セミナーを開催したり、雪崩災害防止功労者を表彰したりしています。

冬は、雪崩に限らず雪の影響で様々な災害が発生しています。

冬の災害については、別の記事で詳しく解説しています。

冬に備える防災グッズを解説!防寒グッズと雪害、火災への備えが必要

防災の日、あなたは何をしますか

日本は災害大国です。

阪神淡路大震災や東日本大震災だけではなく、毎年、全国各地で大小の災害が絶えず発生して被害を生んでいます。

2019年8月には台風10号が猛威を振るい、全国各地で被害が発生しました。

この記事を読んでくれているということは、「自分や家族を災害から守りたい」という防災意識は持っているのでしょう。

では、今年の防災の日、あなたは何をしますか。

防災セットを購入

防災セットを作る

トランクルームを借りる

シェイクアウト(防災訓練)に参加

家族で防災について話し合う

防災意識は、行動に移してこそ価値があります。

そして、防災の日は、防災意識を行動に移すための絶好の機会です。

もし何も決めていないなら、防災の日までに決めてみてください。

まとめ

災害大国の日本では、防災の日をはじめとして様々な防災関連記念日や防災週間が定められています。

過去の災害を教訓にして定められたものが多く、記念日や週間には防災関連のイベントが開催されているので、参加してみてはどうでしょうか。

また、防災セットを備えたり、備えてある防災グッズを点検したりする良い機会でもあります。

家族で「被災した場合」のことを話し合い、家族のニーズに合った防災グッズを備えてみてはどうでしょうか。

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