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冬に備える防災グッズを解説!防寒グッズと雪害、火災への備えが必要

冬 防災グッズ

この記事で分かること
  • 冬の寒さと雪害対策用の防災グッズ
  • 冬の火災対策

阪神・淡路大震災が発生したのは、1995年1月17日という真冬の明け方です。

東日本大震災の発生は2011年3月11日ですが、東北地方や日本海側の地域では雪が残り、厳しい寒さが続いていました。

寒さが続くと体温が低下し、体力が削られて感染症などにかかりやすくなりますし、冷静な判断も難しくなります。

冬の災害に備えるには、一般的な備えだけでなく「寒さ」と「雪」への対策を検討しなければなりません。

また、暖房器具などが原因で発生する火災への対策も必要になります。

この記事では、「寒さ」と「雪」いう冬特有の要素を踏まえて、冬に備える防災グッズについて解説するとともに、火災の対策についても解説します。

冬に必要な寒さ対策用の防災グッズ

冬の寒さ対策用に役立つ防災グッズは、以下のとおりです。

防災グッズ備える防災セット・備蓄品
持ち歩き用持ち出し用備蓄品
防寒着
ウィンドブレーカー、帽子、手袋、靴下、腹巻など
アルミブランケット
体をすっぽり覆えるもの
使い捨てカイロ

1枚

2~3枚

1箱

移動中に暖を取るため
発熱剤
非常食を暖めるため
石油ストーブ
対震消火装置や緊急消火レバー付のもの、灯油缶詰と一緒に備える
カセットコンロ
電気やガスが止まったときの調理や湯沸かしのため
湯たんぽ
寝るときなどに暖を取るため
車内用の防災セット
車載用、車内に閉じ込められたり動けなくなったときに使用
除雪セット
雪かきや雪下ろしに使用
注意

この記事で紹介するのは、冬場の寒さと雪の対策として備える防災グッズです。

 

まずは、持ち歩き用防災セット(防災ポーチ)、持ち出し用防災セット、備蓄品を備え、冬用の防災グッズを付け足すことを想定しています(防災セットに備えてあるグッズは兼用可能)。

持ち出し用防災セットに備える防災グッズについては、別の記事で詳しく解説しています。

持ち出し用防災セットの中身リスト一覧!最低限必要な防災グッズを防災士が徹底解説

防寒着

冬の寒さに耐えられるだけの防寒着を備えておく必要があります。

防寒着として備えるもの

ウィンドブレーカー、帽子、ゴーグル、マフラー、手袋、靴下、腹巻、長ズボンなど

持ち出し用防災セットに入る容量は限られているので、避難時には身につけて出るのが基本です。

アルミブランケット

アルミブランケットは、毛布やタオルケットより保温性能が高く、コンパクトに収納できるので、登山やキャンプなどで利用されるグッズです。

防災生活では、最低限必要な防災グッズの一つとして持ち出し用防災セットに入れることをおすすめしています。

使い捨てカイロ

移動中に暖をとるのに便利なのが、使い捨てカイロです。

本体のみで使用することができ、何時間も暖かさを維持できるので、持ち歩き用、持ち出し用、備蓄品のいずれにも備えておきたい防災グッズです。

貼るタイプと貼らないタイプがあり、貼るタイプの方が体が温まりやすいです。

注意

貼るタイプを皮膚に直貼りしたり、貼らないタイプを皮膚に当て続けたりすると低温やけどになるので、注意してください。

発熱剤

寒いと温かい食事を食べたくなりますし、体を温めるためにも温かい食事を食べるようにしたいものです。

発熱剤があれば、電気やガスが無くても非常食を温めて食べることができます。

火災が発生する心配をせず安心して使用できますし、コンパクトかつ軽量なので防災セットにも無理なく入れておけます。

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石油ストーブ

阪神淡路大震災や東日本大震災では、ライフラインが断たれ、復旧するまで電気やガスを使用する暖房器具が使えなくなりました。

被災地域の約9割でライフラインが復旧するまでにかかった日数は、以下のとおりです。

ライフライン阪神淡路大震災東日本大震災
電気2日6日
ガス61日34日
ライフラインの断絶で使えなくなる暖房器具
  • 電気が断絶:エアコン、電気ストーブ、コタツ、ホットカーペット、床暖房など
  • ガス:ガスストーブ、ガスファンヒーター、ガス暖炉など

災害発生後に自宅避難を続ける場合を想定し、電気やガスを使用しない暖房器具を備える必要があります。

おすすめは、石油さえあれば暖を取ることができる石油ストーブです。

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石油ストーブに使用する灯油は缶詰がおすすめ

灯油は、ガソリンスタンドなどで購入して備えることもできますが、非常用に保管できる灯油の缶詰がおすすめです。

灯油には使用期限がありませんが、保管状態が悪いと、色がほぼ無色透明から薄い黄色に変わって臭みも出てきます。

この状態の灯油を使用すると、異常燃焼や機器の故障の原因になります。

石油ストーブの取り扱い説明書には「持ち越し灯油禁止」と書かれていますし、国民生活センターも古い灯油の使用を控えるよう促しています。

原則として、灯油をポリ容器に入れて保管しておけるのは1シーズンだけと考えておくべきです。

灯油の缶詰なら、完全密封と耐熱力の高さという缶詰の特性を活かして3年程度の長期保管が可能なので、防災グッズとして安心して備えておけます。

MEMO

灯油は、200L未満なら届け出なしで備蓄しておくことができます。

防災コラム

石油ストーブ以外だと、カセットガスストーブや薪ストーブを備える方法もありますが、防災生活ではおすすめしていません。

 

カセットガスストーブは、持ち運びが便利で狭い範囲を暖めるのに向いていますが、コストが高く、狭い範囲しか暖まらないというデメリットがあります。

 

薪ストーブは、有毒なガスや煙をほぼ出さずに広い範囲を暖めることができ、料理に使うこともできます。

 

一方で、初期費用が高いこと、手入れが大変なこと、暖まるまでに時間がかかることがデメリットです。

カセットコンロ

カセットコンロを備えておけば、電気やガスが止まっても調理や湯沸かしが可能です。

災害発生直後は発熱剤を使い、亡くなった後はカセットコンロに切り替えて電気が復旧するまで持ちこたえるという使い方が一般的です。

ガスボンベと一緒に備蓄しておきましょう。

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MEMO

電気は、阪神淡路大震災で2日、東日本大震災で6日、熊本地震で5日、北海道胆振東部地震では2日と、大規模地震が発生しても、多くの地域で1週間以内に復旧しています。

湯たんぽ

湯たんぽは、寝るときなどに使う防寒器具の必需品です。

停電して冷たくなったコタツの中や布団に入れておけば、お湯の温もりが優しく足や体を包み込んでくれます。

カセットコンロで沸かしたお湯を入れ、湯たんぽ本体を毛布でくるむと心地良い温かさが持続します。

車載用の防災セット

雪がたくさん振る地域では、車が雪で埋もれて閉じ込められたり、側溝にはまって動けなくなったりすることがあります。

こうした場合は、ハザードランプを点灯させる、緊急ダイヤル(#9910)やJAF(#8139)に電話して救援を求めた上で、エンジンを切り、厚着をして救援を待つのが基本です。

やむを得ずエアコンを使用する場合は、一酸化炭素中毒になるのを防ぐため、マフラー周りの雪をこまめに取り除く必要があります。

吹雪などの影響で、救援の到着までに相当の時間がかかることが多いので、救援が来るまで自分や家族の命を守ることができるよう、車載用の防災セットを積んでおくことが重要です。

車載用防災セットに備えておきたい防災グッズは、以下のとおりです。

車載用防災セットの中身
  • 防災ケース
  • 非常食
  • 保存水
  • ホイッスル
  • シガーソケット用USBポート
  • 簡易携帯トイレ
  • 防臭袋
  • ウェットティッシュ
  • 歯磨きシート
  • アルミブランケット
  • マスク
  • 脱出ハンマー

車載用防災セットについては、別の記事で詳しく解説しています。

車載や車中泊におすすめの防災グッズ、役立つ防災セットを防災士が解説

除雪セット

雪害による死者数が最も多いのは、雪崩や吹雪ではなく、除雪作業中の事故です。

原因2016年度2017年度2018年度
雪崩10(1)1(0)
除雪中45(30)102(86)40(37)
落雪5(4)5(4)
家屋倒壊2(1)2(2)
その他36(1)
合計65(36)116(93)40(37)

※2018年度は速報値

※カッコ内は65歳以上の人数

引用:今冬の雪による被害状況等|総務省消防庁

除雪中の事故の内容は、屋根からの転落、落雪、水路や側溝への転落、除雪機への巻き込み、除雪作業中の急性疾患などです。

除雪作業中の事故を防止するには、正しい方法を身につけ、作業に必要な防災グッズを備えることが大切です。

除雪作業に必要な防災グッズ
  • 濡れにくく動きやすい作業着
  • ヘルメット
  • ゴム手袋
  • ゴム長靴
  • 安全帯
  • 命綱
  • アンカー
  • 携帯電話
  • スコップ
  • スノーダンプ
  • 雪付着防止スプレー

冬の火災の原因と防止する方法

冬は火災が発生しやすい季節です。

冬の火災が発生する原因

冬は、空気の乾燥など火災が発生しやすい条件が揃いやすく、また、寒いので暖房器具の使用頻度が増えます。

その結果、器具の消し忘れ、地震の揺れなどによる器具の転倒、可燃物への引火などによる火災も増加します。

火災による死者数とその原因は、総務省消防庁が公表している消防白書で確認することができます。

住宅火災の発火源別死者数

出典:平成30年版防災白書|総務省消防庁

平成29年中(1月~12月)の住宅火災による死者数889人のうち457人は原因が特定されています。

そして、そのうちの134人がストーブ、37人がコンロ、14人がコタツが原因の火災で亡くなっています。

石油ストーブによる火災

石油ストーブは、ガスや電気が無くても使用できるので、自宅避難を続ける場合には欠かせない暖房器具ですが、正しい方法で使わないと火災の原因になってしまいます。

例えば、石油ストーブの周りに衣類や寝具などの可燃物を置いたり、ストーブ本体をカーテンや壁の近くに置いたりすると、何かの拍子に引火して火災が発生します。

給油中にこぼした石油に引火するケースも報告されています。

対震自動消火装置が付いた石油ストーブを備える

石油ストーブなどの暖房器具を購入するときは、耐震自動消火装置が付いた商品を選ぶことが大切です。

耐震自動消火装置というのは、震度が約5以上の地震が発生したり、強い振動や衝撃を受けたりしたときに、火災を防ぐためにストーブが自動的に消化する安全装置です。

近年は、耐震自動消火装置が付いた製品が多くなっていますが、中古品や海外製の石油ストーブには付いていないものもあるので、注意してください。

なお、石油ストーブを使うときは、以下の使用上の注意点にも気を配りましょう。

石油ストーブの使用上の注意点
  • 使用できる油種を確認する
  • 使用前に点検する
  • 可燃物から離れた場所で使用する
  • 石油ストーブから短時間でも離れるときは消す
  • 火災警報発令中は、特に注意して使用する

コンロによる火災

カセットコンロは、ライフラインが断たれた状態で調理や湯沸かしをするのに役立つ調理器具です。

しかし、石油ストーブなどの暖房器具と同じく、可燃物への引火や火の消し忘れで火災を招くリスクがあります。

消し忘れ消火装置が付いたコンロを備える

カセットコンロを購入するときは、消し忘れ消火装置が付いた商品を選びます。

万が一、火を消し忘れても、一定の時間が経過すると自動で消化するので、消し忘れによる火災を予防することができます。

まとめ

冬の寒さは、私たちの体力を削り、判断力を低下させ、最悪の場合は命を奪います。

冬になる前に、「寒さ」と「雪」のことを考えて、防災セットに冬用の防災グッズを足しておきましょう。

防災生活では、半年に1度は防災セットを点検することをおすすめしています。

点検の時期を秋と冬の季節の変わり目にしておけば、衣替えと一緒に点検し、冬用の防災グッズを足せるので、手間が少なくて済みます。

防災セットの点検!防災グッズの点検項目と時期・頻度を防災士が解説