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秋の災害(台風、竜巻、大雨)の防災対策は?大雨と豪雨の違いは?

秋 防災

この記事で分かること
  • 秋の代表的な災害3つ
  • 秋の災害の防災対策

「夏から秋にかけて発生しやすい自然災害は何?」と聞かれたら、何と答えますか。

多くの人が思い浮かべるのが台風でしょう。

しかし、秋には台風以外にも秋雨前線の影響による大雨・豪雨や竜巻(突風)なども発生します。

秋は、暑さが和らいで紅葉も見ごろをむかえる「外出したい気分になる」季節ですが、風水害が発生しやすい時期でもあります。

そのため、夏に引き続き、災害に備えるという意識は切らさず持っておきたいところです。

この記事では、秋に発生しやすい自然災害3つと防災対策について解説します。

MEMO

この記事では、おおむね9月~11月頃を「秋」と想定しています。

秋に発生しやすい自然災害

秋に発生しやすい自然災害は、以下のとおりです。

  • 台風
  • 大雨・豪雨
  • 竜巻・突風

それぞれの災害の特徴と備え(防災)について解説していきます。

秋に発生しやすい災害1:台風

秋に発生しやすい自然災害の代表的なものが、台風です。

台風とは

台風とは、熱帯の海上で発生した熱帯低気圧のうち、北西太平洋または南シナ海上に存在して、域内の最大平均風速が17メートル/秒以上の巨大な空気の渦です。

台風が日本に接近・上陸するのは、毎年、7月から10月頃にかけてですが、時期によって台風の特徴が異なります。

9月から10月頃に日本へ接近・上陸する台風は、7月から8月頃の台風と比べてスピードが速く、突風が発生しやすくなっています。

スピードが速くなるのは秋の偏西風の影響です。

スピードが速い分だけ進路を予測しやすいですが、日本に接近するまではゆっくり移動し、日本付近で急にスピードを上げる台風もあります。

台風の防災対策

台風の防災対策は、①台風発生前、②台風の接近が予想される段階、③台風接近中に分けて考える必要があります。

時期防災対策
台風発生前・防災グッズの準備

・台風接近時の対応を家族で話し合っておく

・ハザードマップを入手しておく

・避難場所や避難経路を把握しておく

・家やその周辺を整備しておく

・隣人との良好な関係を保っておく

台風接近が予想される・最新の台風情報をこまめに確認する

・家やその周辺の状態を確認する

・防災グッズを手元に置いておく

台風接近中・最新の台風情報をこまめに確認する

・家やその周辺の状態を確認する

・防災グッズを手元に置いておく

台風の防災対策の具体的な内容については、以下の記事で詳しく解説しています。

台風対策におすすめの防災グッズを防災士が解説!過去の台風被害と備える方法も紹介

秋に発生しやすい災害2:大雨・豪雨

秋は、昔から「秋の長雨」と言われてきたように、春や冬に比べて雨が多い季節です。

秋雨前線や台風の影響によって大雨が続いたり、豪雨災害が発生したりして、全国各地に洪水や内水氾濫、土砂災害などを引き起こします。

気温が高い日には、ゲリラ豪雨(局地的な大雨)が降ることもあります。

秋雨前線とは

秋雨前線とは、毎年、日本列島付近に9月上旬頃から10月中旬頃にかけて現れる停滞前線です。

読み方は「あきさめぜんせん」です。

太平洋側の高気圧の勢いが弱まる一方で、大陸側の高気圧が勢いを増すことにより、2つの高気圧の境に前線が現れて停滞し、秋の長雨を降らせます。

秋雨前線の気圧配置は、梅雨前線に似ていますが、梅雨前線ほど始まりと終わりが明確ではありません。

また、梅雨前線のように長続きしないという特徴があります。

秋雨前線で注意したいのは、秋雨前線の停滞中に台風の接近が重なった場合です。

台風の影響によって大雨が降り、大きな災害が発生するリスクが高くなるからです。

大雨と豪雨の違い

大雨と豪雨はいずれも、激しく大量に降る雨のことで、一般的には区別されていません。

しかし、気象庁では大雨と豪雨を明確に区別して使用しています。

気象庁が定める「大雨」

気象庁は、災害をもたらす恐れのある雨を大雨と定めています。

大雨が予想される場合などは、気象警報(大雨注意報、大雨警報、大雨特別警報)を発表して注意喚起します。

気象庁の気象警報・気象注意報の種類と発表基準を解説!特別警報との違いは何?

気象庁が定める「豪雨」

気象庁は、過去に著しい災害を発生させた大雨を豪雨と定めています。

気象警報で豪雨が使用されることはなく、「過去の豪雨と同じ程度の大雨」などと大雨を説明するときに使用されています。

局地的大雨と局地的豪雨

また、気象庁は、局地的大雨と局地的豪雨、局地豪雨とゲリラ豪雨についても、それぞれ区別して使用しています。

大雨と豪雨説明
局地的大雨単独の積乱雲によってもたらさせる数十分間にわたって数十ミリの雨量をもたらす雨
局地的豪雨複数の積乱雲が連続して通過することでもたらされる数時間にわたって数百ミリの雨量をもたらす雨
局地豪雨雨が降り続いた時間に関わらず、比較的狭い範囲で大雨が降ること
ゲリラ豪雨突発的に大雨が降ること

大雨・豪雨の防災対策

「台風ならともかく、雨くらいなら備える必要はない。」と考える人は少なくありません。

しかし、大雨は、土砂災害や河川氾濫などの災害を引き起こし、大きな被害を引き起こすリスクが高い自然現象です。

軽く考えず、平時から十分な備えをしておくことが大切です。

大雨・豪雨の防災は、大雨発生前と大雨発生中に分けて考えることになります。

時期防災対策
大雨発生前・防災グッズの準備

・大雨が降った場合の対応を家族で話し合っておく

・ハザードマップを入手しておく

・避難場所や避難経路を把握しておく

・家やその周辺を整備しておく

・隣人との良好な関係を保っておく

大雨発生中・最新の情報(雨、土砂災害、河川氾濫など)をこまめに確認する

・防災グッズを準備する

・外出を控える

・土砂災害や河川氾濫などの危険性がある場合は、避難準備や避難を開始する

大雨・豪雨・浸水対策の防災グッズのおすすめリスト一覧!選び方を防災士が解説

秋に発生しやすい災害3:竜巻(突風)

竜巻は、夏から秋にかけて発生しやすい災害の一つです。

台風に比べると規模が小さくて発生時間が短いですが、強い風によって局地的に大きな被害をもたらすことがある危険な自然現象です。

竜巻とは

竜巻とは、積乱雲に伴う上昇気流によって発生する激しい空気の渦巻きです。

災害をもたらす自然現象の中では規模が小さいですが、規模や発生した地域によっては、鉄筋コンクリートの建物を倒壊させるなど大きな被害が発生します。

また、台風などに比べるとニュースに登場する機会が少ないですが、毎年、全国各地で発生しています。

2010年から2017年の竜巻の発生件数は、以下のとおりです。

  • 2010年:37件
  • 2011年:15件
  • 2012年:29件
  • 2013年:33件
  • 2014年:21件
  • 2015年:26件
  • 2016年:18件
  • 2017年:10件

参考:気象庁|年別の竜巻発生確認数

竜巻と突風の違い

竜巻は、自然現象の一つ「突風」に分類されています。

突風とは、積乱雲などに伴って発生する、瞬時に吹く強い風のことです。

突風には、台風以外にダウンバースト、ガストフロント、じん旋風などがあります。

突風説明
ダウンバースト積乱雲からの下降気流が地表に衝突することで水平に吹き出す空気の流れ(円形や楕円形に広がりやすい)
ガストフロント積乱雲の下にできた冷たい空気の塊が、温かい空気の方へ流れ出すことによって生じる空気の流れ(竜巻よりも広範囲に広がりやすい)
じん旋風地表付近の暖かい空気が上昇することで発生する空気の流れ(旋風)のうち、砂塵(さじん)を伴うもの

ダウンバーストの意味とは?飛行機の被害と竜巻との違いは?

竜巻の防災対策

竜巻の防災では、竜巻の前兆を知っておくことと、竜巻発生時の対応が大切です。

竜巻の前兆

  • 雷が鳴り始めた
  • 突然、冷たい風が吹き始めた
  • 大きな風音が聞こえた
  • 漏斗状の雲ができている(積乱雲から地上に雲の柱ができている)
  • 物が上空に巻き上げられるのが見えた
  • 耳がツーンとする

気象予報で、「大気の状態が(非常に)不安定」、「雷を伴う(大雨など)」、「竜巻などの激しい突風」、「竜巻注意情報が発表」などの文言が使用された場合は、竜巻に注意する必要があります。

竜巻発生時の対応

竜巻発生時にいる場所説明
屋内・ドアや窓のない(もしくは少ない)部屋に移動する

・ドア、窓、カーテン、雨戸などを閉め、それらからできるだけ離れる

・建物の1階もしくは地下に移動する

・机やテーブルの下に身を隠す

屋外・屋内や物陰など、竜巻に巻き上げられた物から身を守ることができる場所へ移動する

・身体を屈め、両腕で頭を守る(雷しゃがみ)

・木、看板、電柱、プレハブ住宅、街灯などのそばから離れる

まとめ

秋は行楽シーズンで多くの人が外出したくなる季節ですが、大雨や豪雨、台風などの自然災害が発生しやすい季節でもあります。

夏から引き続き、災害への備えを怠らないようにしましょう。