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吹き溜まりの意味とは?雪の吹きだまりの影響と対策を解説

雪の吹き溜まり 車

この記事で分かること
  • 雪の吹き溜まりの意味
  • 吹き溜まりの影響
  • 吹き溜まり対策

雪の吹き溜まりは、豪雪地帯を中心として冬に発生しやすい雪害の一つです。

吹き溜まりができると、人や車が通行できず立ち往生したり、家から出られなくなったりするなど様々な影響があります。

この記事では、雪の吹き溜まりとは、吹き溜まりの影響と対策について解説します。

雪の吹き溜まりとは

雪の吹き溜まりとは、風によって吹き寄せられた雪が積もった場所、またはその場に堆積した雪のことです。

北海道や東北地方など、気温が低く水分量の少ない雪が降る地域で起こりやすくなっています。

MEMO

単に「吹きだまり」という場合、風に巻き上げられた落ち葉などが堆積した場所や堆積物も含まれます。

吹き溜まりの危険を増大させる現象

吹き溜まりは、視界が良好であれば、避けることはそう難しくありません。

しかし、ホワイトアウトなどの視程障害が生じている状況下では、吹き溜まりに気づかず突っ込んでしまうリスクが高くなります。

MEMO

ホワイトアウトとは、雪や風の影響で視界が真っ白になり、周囲の人や物、今いる場所の高度・方向、地形の起伏などが識別できなくなってしまう現象です。

 

また、視程障害とは、肉眼で人や物を確認することができる距離が小さくなり、周囲が見えづらくなった状態です。

雪の吹き溜まりができやすい場所と影響

吹きだまりができやすいのは、風の吹き方が弱くなっている場所です。

雪は、気温が低いほど水分量が減って細かく軽くなり、風に吹かれて飛びやすくなります。

そして、風に吹かれて空中に舞い上がった雪は、風が弱い場所や風が吹かない場所へと運ばれて堆積します。

気温が低いと降り積もった雪が解けずに残るので、強い風が吹くと、降っている雪と一緒に巻き上げられて運ばれます。

風が弱くなる場所には、大きく障害物がある場所と雪堤がある場所があります。

障害物で風が弱くなった場所

吹きだまりは、建物などの障害物で風が弱くなった場所にできやすい現象です。

建物の出入り口や窓の近くに吹きだまりができると、建物の外に出ることができなくなり、非常時の避難経路が断たれてしまいます。

また、石油ストーブの排気口が雪で塞がれて使用できなくなるおそれもあります。

例えば、地震発生時に屋外へ避難しようとしても、出入り口付近にできた吹き溜まりが邪魔で屋外へ出られず、石油ストーブの排気口も塞がれて暖をとれなくなるケースが考えられます。

雪堤のある道路

雪堤(せってい)とは、除雪作業後に道路脇などにできる雪の壁(堤)です。

雪堤がある道路上は、雪堤に遮られて風が弱くなり、吹きだまりができやすくなります。

道路上に吹きだまりができると、以下のような事故が発生するリスクがあります。

  • 車が走行できず立ち往生する
  • 立ち往生した車に後続車両が衝突する
  • 吹きだまりの上を走行してハンドルを取られて車が横転する
  • 視程障害と相まって車ごと吹きだまりに突っ込む

車ごと吹きだまりに突っ込んで埋まった場合、排気ガスが車内に充満して一酸化炭素中毒を引き起こすリスクが高くなります。

雪の吹き溜まりを防止する対策

雪の吹き溜まり対策としては、日々の除雪作業と防雪柵の設置を挙げることができます。

除雪作業

除雪作業は、雪が降る地域では生活の一部であり、雪害から身を守る欠かせない作業です。

雪の吹き溜まり対策としては、建物の出入り口、窓、石油ストーブの排気口付近などを中心に除雪作業を行うことになります。

ただし、雪害による死亡者が最も多いのは除雪作業中の事故であり、吹き溜まりを除去するときも細心の注意が必要です。

以下のような除雪作業の基本を必ず守り、作業するようにしてください。

  • 複数人で作業する
  • ヘルメットや滑りにくい靴などを装備する
  • 屋根からの落雪や水路などへの転落に注意する

防雪柵の設置

防雪柵とは、道路上に降る雪を風の力で吹き飛ばして吹き溜まりや視程障害を防ぐ柵のことです。

防雪柵には、機能や設置場所が異なる4種類の柵があります。

防雪柵の種類特徴
吹き溜め式道路から離れた場所に設置し、柵の前かつ道路の手前に雪を堆積させる

設置場所:道路から距離のある畑や牧草地など

吹き止め式背の高い柵を設置し、柵の後ろ(風上)に雪を堆積させる

設置場所:道路のすぐ傍

吹き払い式角度のついた柵を設置し、道路上の雪を風に吹き払わせる

設置場所:道路のすぐ傍

吹き上げ式風を吹き上げさせて吹き溜まりを防止する

設置場所:道路のすぐそば

吹き溜まりに車で突っ込んで埋まった場合

ホワイトアウトなどの視程障害が原因で、道路上や路肩にできた吹き溜まりに車ごと突っ込む事故は、毎年、発生しています。

吹き溜まりに埋まって動けなくなると、雪が積もって車のマフラーが塞がれ、排気ガスが車内に逆流して一酸化炭素中毒になるリスクが高まります。

そのため、吹き溜まりで身動きが取れなくなったら、まずは車のエンジンを切り、排気ガスの逆流を予防しなければなりません。

エンジンを切ると車内が急激に冷えるため、衣類や毛布で暖をとりながら吹雪などが治まるのを待ってください。

吹雪などが治まって視程が回復してきたら、マフラー付近の雪を取り除き、念のために窓を少し開けた上でエンジンをかけるようにします。

まとめ

雪が降る季節に車を運転する場合、吹き溜まりには十分注意する必要があります。

特に、ホワイトアウトなどの視程障害が発生している場合は、無理に運転をせず、安全第一で行動することが大切です。

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