- 防災セットの手作りに役立つサイト
- 防災初心者でも防災セットは手作りできるか
防災生活では、防災初心者が持ち出し用防災セットを備える場合、防災メーカーが販売する防災セットを購入し、不足するものを買い足して備えることをおすすめしています。
いわゆる「ちょっとだけ手作り」です。
「ちょっとだけ手作り」をおすすめするのは、防災初心者が「信頼性」と「実用性」を兼ね備えた防災グッズを準備するのに最も簡単な方法であり、コストもかからないからです。
しかし、防災セットを一から手作りしたい人にとっては、おすすめ防災セットの紹介+買い足すグッズの解説だけでなく、「何を備えるべきか」に関する情報も豊富にあった方が良いでしょう。
そこで、この記事では、持ち出し用防災セットに何を備えるかの参考になる防災関連サイトを紹介します。
防災生活にも、持ち出し用防災セットの中身に関する情報は載せていますが、手作りするときの基本は情報の「良いとこどり」をすることです。
他のサイトも確認してみて、自分や家族にとって役に立ちそうな情報を取捨選択し、オリジナルの防災セットを手作りしてください。
「トクする!防災」
トクする!防災とは、日本気象協会が推進する「トクする!防災」プロジェクトのウェブサイトです。
「トクする!防災」プロジェクトは、日本気象協会が推進する、ちょっと楽しくちょっとおトクに防災アクションを取ることで、自分や家族の命を守ることを目指すプロジェクトです。
引用:トクする!防災
簡単に言うと、「必要だと感じているが実践しにくい」という印象を持たれがちな防災に「ちょっとしたおトク感」を与え、誰もが楽しんで取り組めるようにすることが目的のプロジェクトです。
ウェブサイトでは、マスコットキャラクターの「ヒナんどり」を含むかわいいイラストや図、分かりやすい文章で災害への備えに必要な情報が紹介されており、備蓄や避難に関するクイズもあります。
また、公式アプリ「わが家の防災ナビ」でポイントを貯めると防災グッズがもらえる仕組みなど、「ちょっとおトク」を味わえる工夫が詰まっています。
わが家の防災ナビは、防災アプリとしても優れているので、別の記事で詳しく解説しています。
「トクする!防災」の防災セット情報
持ち出し用防災セットについては、「避難するときに持っていくもの」に中身リスト一覧が掲載されています。
トクする!防災トップページ>備蓄の心得>避難するときに持っていくもの
一般的な防災セットの中身に加え、女性、赤ちゃんや子供、高齢者に必要な防災グッズもリストアップされています。
リストでは「最低限必要な物」と「できれば持っていきたい物」が分けてあり、備える理由も書いてあるので見やすいです。
防災ポーチや備蓄品の中身リスト一覧もある
防災ポーチや備蓄品についても、中身リスト一覧が掲載されています。
- 防災ポーチ:トップページ>備蓄の心得>外出先で災害に遭ったときのために
- 備蓄品:トップページ>備蓄の心得>備蓄品はこれが必要
備蓄品の中身リストには、夫婦2人、乳児1人、子ども1人、高齢者1人の5人家族が3日間過ごすために最低限必要な備蓄用品と、あると便利な物が分けて書いてあります。
また、ローリングストック法で備えられるものには★印がつけられているのも特徴です。
東京都防災ホームページ(東京防災)
出典:東京都防災ホームページ
東京都防災ホームページとは、東京都が運営する防災情報に関するウェブサイトです。
東京都は、首都直下型地震の発生が予想されるなどの状況に置かれていることもあり、防災への力の入れ方は全国トップレベルです。
東京都防災ホームページも、他地域の防災関連ウェブサイトとは比べ物にならないくらい充実した内容になっています。
東京都防災の防災セット情報
東京都が発行する防災ブック「東京防災」の90~91ページに、非常用持出し袋(持ち出し用防災セット)の中身リストが掲載されています。
東京都防災トップページ>東京防災(ページ下部の東京都防災トピックス内)>「東京防災」の閲覧はこちら>今やろう防災アクション_備蓄 (PDF 1.1MB)
東京防災は、「東京の多様な地域特性、都市構造、都民のライフスタイルなどを考慮してつくられた、完全東京仕様の防災ブック(東京防災から引用)」です。
事前の備え、地震発生直後の行動、避難の方法、避難所生活など防災に関する知識や情報が網羅的に掲載されています。
かわいい絵や図がたくさん使われているので読みやすく、楽しみながら防災の知識を得ることができます。
「東京」防災ですが、日本全国どこに住んでいても役立つ情報が満載なので、防災セットのページ以外も読んでみることをおすすめします。
NHKそなえる防災
NHKそなえる防災とは、NHKオンライン内にある防災関連のウェブサイトです。
2011年3月に発生した東日本大震災の後、「災害から身を守るには、的確な情報と知識に基づいて安全に避難することが何よりも大切である」という考えに基づいて開設されました。
災害に備えるための各種情報が幅広く掲載されており、特に、災害や防災の研究職や専門職のコラムには、防災の基礎知識から最先端の研究結果まで分かりやすく紹介されています。
実は、私もとあるコーナーにちょこっとだけ関わっていたりします。
NHKそなえる防災の防災セット情報
ウェブサイト内の「防災グッズリストダウンロード 災害・防災 手作りかいけつキット」に、非常持ち出し袋(持ち出し用防災セット)の中身リストが掲載されています。
NHKそなえる防災トップページ>特集>防災グッズリスト
「家庭用」、「外出時用」、「会社用」の3種類のリストが掲載されており、それぞれ「持ち出し用防災セット+備蓄品」、「防災ポーチ」、「オフィス用防災セット」の中身が載っています。
いずれのリストもPDF形式のファイルをダウンロードできるので、印刷して防災セットに備えたり、アイロンプリントでトートバッグなどにプリントしたりしておけます。
「災害もしもブック」と「災害もしもマニュアル」
防災セットのリスト以外に目を通しておきたいのは、災害もしもブックと災害もしもマニュアルです。
種類 | 内容 |
災害もしもブック | 大地震発生直後の対応方法 |
災害もしもマニュアル | けが人の応急処置などの役立つ情報 |
いずれも絵と簡単な文章で、災害という異常事態で混乱した状態でも読みやすいようにできています。
プリントアウトして財布などに入れておけば、被災直後に取り出して「今、何をすべきか。」を確認し、適切な行動がとりやすくなります。
防災グッズのリストと一緒にプリントアウトしておきましょう。
広島県「みんなで減災」はじめの一歩
広島県「みんなで減災」はじめの一歩は、広島県が運営する防災関連のウェブサイトです。
広島県「みんなで減災」はじめの一歩の防災セット情報
広島県「みんなで減災」はじめの一歩の防災グッズ一覧は、「防災グッズ」で検索すると上位に表示される(2019年6月時点)ので、見たことがある人も多いでしょう。
広島県「みんなで減災」はじめの一歩トップページ>備える>防災グッズ一覧
各防災グッズを携帯・持出・備蓄のいずれの防災セットに備えるかや、水や保存食など複数の防災セットに備える防災グッズが一目で分かります。
非常にシンプルですが、防災初心者でも分かりやすく、最低限必要な防災グッズが押さえてある一覧表です。
防災シート
ウェブサイトでは、防災について家族で話し合った内容などを記載する「防災シート」のファイルを印刷することも可能です。
家族がいる場合、防災グッズの準備、避難場所・避難経路の確認などは家族全員で取り組むことが大切です。
防災シートを使えば、家族の話し合いがスムースに進み、議論も活発になるでしょう。
防災初心者でも防災セットを一から手作りできるか
防災セットの手作りには、防災グッズを一つひとつ自分で揃えていく方法と、市販の防災セットを購入してアレンジを加える方法(防災生活でおすすめしている方法)があります。
それぞれのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
一から手作り | ・家族のニーズを最大限に反映できる ・こだわりの防災グッズができる | ・費用がかかる ・信頼性と実用性に不安が残る |
防災セットをアレンジ | ・信頼性、実用性、コストパフォーマンスが良い ・最低限必要な防災グッズの多くが揃う | ・過信しやすい ・アレンジを怠ると家族のニーズが反映されにくい |
一から手作りする場合、家族のニーズを最大限に反映したオリジナルの防災グッズができあがります。
しかし、市販の防災セットを買うより費用がかさみますし、防災初心者が作ったものは信頼性と実用性に不安が残ります。
防災メーカーが販売する防災セットをアレンジする場合、信頼性と実用性が高いものが廉価で手に入ります。
しかし、信頼性と実用性を過信して「購入したままの状態」で備え置きやすく、その場合、家族のニーズが反映されにくいという問題があります。
防災初心者は防災セットを手作りできるか
結論から言えば、防災初心者でも防災セットを一から手作りすることは可能です。
「持ち出し用防災セットの中身リスト一覧!最低限の防災グッズ14個+αを防災士が解説」や、この記事で紹介したサイトを参考にすれば、家族のニーズを反映した防災セットができあがります。
しかし、おそらく手作りした本人が「素人が作った防災セットで、いざというときに役立つだろうか。」という不安や心配を抱えるでしょうし、家族も同じ気持ちになるかもしれません。
防災セットは、自分や家族の命と生活を守るために備えますが、「備えてあるから大丈夫」という精神安定剤としての効果も求められています。
防災初心者が一から手作りした防災セットは、この精神安定剤の効果が得られないことが多いです。
また、防災セットは状況に応じて組み合わせて使うのが基本ですが、手作りの場合、一つひとつの防災グッズの性能にこだわりすぎて、組み合わせをイメージできていないものが多いです。
これは、防災のプロが手作りする場合にも陥りがちな問題です。
この点、防災メーカーが販売する防災セットは、様々な状況に対応できる防災グッズが入っていますし、何人もの「防災のプロ」が検証を重ねて開発したものなので、安心して備え置くことができます。
アレンジを忘れなければ、家族のニーズに合った防災セットに仕上がります。
以上より、防災初心者でも一から手作りは可能ですが、信頼性や実用性を考えると、一から手作りするよりも、最初は市販の防災セットをアレンジした方が良いと思います。
この記事の内容は、防災初心者に向けたものです。
防災に詳しい人が手作りすることに反対するものではありません。
防災セットの点検
時間の経過に伴う家庭状況や季節の変化などを踏まえ、防災セットの中身も常にアップデートしていく必要があります。
- 中身:備えた防災グッズが全て揃っているか
- 期限:期限が近い防災グッズはないか
- 動作:電気機器類が正常に動くか
- 不要・不足:いらなくなったものや、不足しているものはないか
防災生活では、半年に一度は防災セットの中身を点検することをおすすめしています。
まとめ
持ち出し用防災セットを一から手作りするのに役立つサイトを4つ紹介しました。
防災初心者の場合は、防災セットの信頼性や実用性を担保しようと思うなら、市販の防災セットをアレンジすることをおすすめします。
一から手作りにチャレンジする場合は、まずは防災生活やこの記事で紹介したサイトをよく読み、家族のニーズを十分に把握した上で取り掛かるようにしてください。
全てのサイトを確認すると、サイトによって必要とされる防災グッズが異なることに気が付くはずです。
これは、運営者情報にも書いたとおり、防災業界が抱える大きな問題の一つで、「どの防災グッズが本当に必要なのか分からない。」と多くの人が混乱する原因となっています。
防災セットを一から手作りする場合も、どのサイトに書かれた防災グッズを備えれば良いか迷うでしょう。
そんなときは、非常食や保存食など全てのサイトに共通する防災グッズをまず揃えてください。
揃ったら、各サイトで要不要が異なる防災グッズについて、家族のニーズを踏まえて選びましょう。