災害への備えを日常に!防災グッズをもっと身近に!

運営者情報

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防災生活へようこそ。

運営者について

子どもの頃に阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)で被災し、自然災害の怖さと「何もできない」という無力さを痛感しました。

同時に、災害支援に携わる人々の手厚いサポートや温かい表情・言葉に励まされ、「将来は災害に関わる仕事をしたい。」と思いました。

現在は、災害関連の研究職として働く傍ら、防災士として企業や官公庁で防災講義やBCP策定のアドバイザーを務めています。

防災グッズや備蓄品の開発に携わったり、企業が備える防災グッズや備蓄品についてアドバイスをしたりすることもあります。

災害ボランティアにも参加するので、どこかで会ったことのある人もいるかもしれません。

防災生活について

防災生活は、災害時に本当に必要な防災グッズや防災セットについて分かりやすく解説するサイトです。

防災生活を作ろうと思った理由は、大きく3つあります。

  • 日本は災害が多い国であること
  • 災害に備える習慣が根付いていないこと
  • 防災グッズや備蓄品の正しい情報が得にくいこと

日本は災害が多い国であること

日本は「災害大国」と呼ばれ、台風、大雨、土砂災害、地震、津波、洪水、大雪、火山噴火などの自然災害が頻繁に発生しています。

日本の国土面積は、全世界の0.28%しかありませんが、1900年以降に発生した主な災害の約10%が日本で発生しています(「平成30年版防災白書」の付属資料24「附属資料24 1900年以降の世界の主な自然災害の状況」より)。

また、過去の防災白書では、マグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で発生した、全世界の活火山の7%が日本にある、全世界で災害死者数の約0.3%が日本で被災した、全世界の災害被害金額の11.9%が日本という統計も示されています。

平成の頃に発生した主な災害を思い出してみても、1995年の阪神淡路大震災、2003年の十勝沖地震、2004年の中越地震、2011年の東日本大震災、平成23年台風12号による大雨被害、平成30年7月豪雨など枚挙にいとまがありません。

統計の数値を見ても、記憶を辿ってみても、日本が「災害大国」であることは明らかです。

そのため、常に「自分や家族が被災する」という可能性を念頭におき、平時から災害に備えることは、日本で暮らす私たちにとってとても重要なことです。

MEMO

防災生活を作ろうと思った最初のきっかけは、災害大国の日本で安全・安心に暮らすには備えが重要だと多くの人に知ってもらいたいと思ったことです。

災害に備える習慣が身についていないこと

日本は「災害大国」ですが、日本に住む人の「災害に備える意識」は決して高くありません。

大地震に備えている対策

上の図表は、内閣府政府広報室が実施した「防災に関する世論調査」の結果をまとめたもので、平成30年版防災白書に掲載されています。

家庭でできる最も基本的な防災は、防災グッズや備蓄品を備えることです。

しかし、調査結果を見ると、「食料や飲料水、日用品などを準備している」と回答した人が男女ともに50%未満で、その他の防災グッズや備蓄品を備えている人はさらに少ないことが分かります。

調査年度は平成29年11月なので、東日本大震災、熊本地震、平成29年7月の九州北部豪雨などの大きな災害が立て続けに起きた後でも、この結果なのです。

企業や官公庁で防災講義をしていると、大企業や行政の防災意識は年々高まっており、災害発生時の備えも充実してきていることを実感します。

それに比べて、個人の防災意識は低い水準にとどまっているのが現状です。

大きな災害が発生し、災害の怖さと防災の重要性がニュースなどで大々的に取り上げられると、多くの人が防災意識を高めて防災グッズを買い求めますが、時間が経つにつれて意識が低下します。

災害を目の当たりにして一時的に防災意識を高めても、災害に備えるという習慣を身につけるには至らない人が多いのです。

言い換えれば、日本では頻繁に災害が発生することは理解していても、「自分や家族が被災すること」を想定できている人が少ないということです。

いくら行政や企業が災害対策に関する制度や仕組みを整えても、個人の防災意識や備えが不十分なままでは、将来起こる災害の被害を抑えることは困難です。

MEMO

防災生活を作ることを決めたのは、防災講義や被災地ボランティアを続ける中で、災害に備える習慣が身についていない人の多さに気づいて危機感を持ったからです。

防災グッズや備蓄品の正しい情報が得にくいこと

防災講義をしていると、参加者から「本当に必要な防災グッズが何なのか分からず困っている。」という声をよく聞きます。

大きな原因はネットです。

防災グッズについてネットで調べると、あるサイトでは「必要」と書かれているものが別のサイトでは「不要」とされています。

個人が作成したサイトならともかく、一般的に権威や信頼性が高いとされる行政や企業のサイトでも、必要な防災グッズや備蓄品の内容に大きな差があります。

また、被災経験のある人が「避難生活で役に立った。」と言った防災グッズが必ず災害時に役立つだと思われやすいことも、本当に必要な防災グッズを分からなくする原因になっています。

例えば、被災者からは「ろうそくがあったので真っ暗闇で過ごさずに済んだ。本当に助かった。」という話をよく聞きます。

被災者が推奨した防災グッズとしてろうそくを紹介しているサイトもありますし、照明器具としてろうそくが入っている市販の防災セットもあります。

しかし、消防庁の通達では、ろうそくは火災の原因になるので使用を控えるよう促されています。

さらに言えば、アフィリエイト商材である防災セットを購入してレビューするサイトも増えています。

防災の知識も経験もない人が、企業側の用意した文面・画像やネット上の知識を寄せ集めて防災グッズの必要性をアピールする記事を作り、それが検索で上位表示されて多くの人の目にとまるという状況があります。

MEMO

防災生活は当初、防災に関する情報を分かりやすく解説するサイトにする予定でした。

 

しかし、防災グッズに関する正しい情報が得にくい状況にあることを知り、災害への備えに特化したサイトを作る方が、多くの人の役に立つのではないかと思うようになりました。

 

また、備えておくべき防災グッズについて企業にアドバイスしている経験も活かせるとも思いました。

 

その結果、本当に必要な防災グッズや防災セット・備蓄品の備え方を分かりやすい解説をメインにして防災生活を作成することにしました。

防災生活のスタンス

防災生活の基本スタンスは、2つあります。

  • 災害への備えは平時から
  • 防災は楽しく手軽ではない

災害への備えは平時から

防災生活では、平時に防災セットを備えることをおすすめしています。

防災セットや防災グッズは、欲しいと思ったときに手に入らないからです。

災害直後は防災グッズや防災セットが手に入りにくい

防災グッズや防災セットが最も売れるのは、大きな災害が発生した後の数日から数週間です。

ニュースなどで災害に関する情報が大々的に取り上げられると、それを見た人の多くは、「自分も被災するかもしれない。」、「今のうちに防災グッズや防災セットを買っておこう。」と思います。

その結果、防災グッズの注文が殺到し、品切れになって入手が困難になります。

災害発生から数ヶ月も経てば問題なく購入できるようになりますが、その頃には災害発生直後に高まった防災意識も落ち着き、「防災グッズがなくても大丈夫かな。」という心境になる人が少なくありません。

被災後はもっと手に入らない

防災グッズや備蓄品が必要になるのは被災したときです。

避難所や避難場所に備え置かれているのは最低限の非常食や保存水などだけで、各家庭のニーズに合った防災グッズは手に入りにくいものです。

災害発生からしばらくすると支援物資も届き始めますが、必要なものが必要なときに手に入るとは限らず、避難者の数によっては全員に行きわたらないこともあります。

防災グッズを注文しようとしても、注文者が殺到して売り切れていることが多く、注文してから納品されるまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。

防災グッズと備蓄品は平時に買い揃えておく

以上の理由から、防災グッズや備蓄品は平時に買い揃えておくことが大切です。

家族の人数、年齢、性別、健康状態などを踏まえ、何を備えるかについて家族全員で話し合った上で、必要な防災グッズを購入しておくことをおすすめします。

防災は楽しく手軽だけではない

防災に関するサイトを見ていると、「楽しく」と「手軽に」という言葉をよく目にします。

確かに、防災に対して「大変そう」、「難しそう」というイメージを抱いている人は多いので、最初は「楽しく手軽に」をアピールすることも意味はあるでしょう。

「100円均一で全て揃える」、「防災グッズでおしゃれを楽しむ」ということも、防災の裾野を広げる効果はあります。

しかし、防災の目的は、災害による被害を最小限に食い止め、自分や家族の命やその後の生活を守ることです。

そのため、被災した場合を想定して防災グッズや備蓄品を備えにようと思うと、それなりの手間と費用がかかりますし、必ずしも「楽しく手軽に」というわけにはいきません。

この点は、防災に携わる専門家の一人として、また、一人の被災者として重視しているところです。

MEMO

長々と書きましたが、私が望むのは、災害による被害を最小限に食い止め、亡くなったり悲しんだりする人を一人でも少なくすることです。

そのために防災生活が少しでも役に立てばよいと思っています。