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アイスバーンとは?路面凍結の条件(気温・温度は何度、時間帯)と対策を解説

アイスバーン

この記事で分かること
  • アイスバーン(路面凍結)はどんな現象か?
  • アイスバーン対策

アイスバーン(路面凍結)は、交通事故などの原因となる危険な状態です。

アイスバーンは運転席からは見えにくいこともありますし、ホワイトアウトなどで視程が小さくなると事故につながるリスクも高まります。

この記事では、アイスバーン(路面凍結)とはどのような現象か、アイスバーンになる条件(場所、気温、時間帯など)、凍結した路面を運転するときの対策について解説します。

アイスバーン(路面凍結)とは

アイスバーンとは、気温が低下して路上の雪や水分が凍結する現象です。

道路に降り積もった雪が凍結するというイメージを持たれがちですが、雪が降っていなくても、雨上がりにできた水たまりや路上の水滴が凍ってアイスバーンになることもあります。

アイスバーンの種類

アイスバーンは、大きく3つに分類されます。

圧雪アイスバーン

圧雪アイスバーンとは、密度の高い雪の層(路上に降り積もった雪が車に踏み固められて形成される)が凍結した状態です。

昼間の気温上昇で雪の表面が解けて水になり、夜間の気温低下で再び凍結することを繰り返すと、表面全体が凍結します。

圧雪アイスバーンは、自然凍結した路面よりも摩擦係数が小さい(=滑りやすい)という特徴があります。

ミラーバーン

ミラーバーンとは、路上に降り積もった雪の表面がスタッドレスタイヤで磨かれることによって形成されるアイスバーンです。

日本における冬用タイヤは、スパイクタイヤの使用が禁止されてスタッドレスタイヤへ移行しました。

ゴム面を当てて氷上でのグリップを生むスタッドレスタイヤの特性で、同タイヤを装着した車が停止と発進を繰り返すことで圧雪路面が磨き上げられ、鏡のような路面(ミラーバーン)ができます。

ミラーバーンは、スタッドレスタイヤを装着した車でも滑りやすく、交通事故の原因になります。

ブラックアイスバーン

ブラックアイスバーンとは、路面の水分が凍結して薄い氷の幕が形成された状態です。

一見すると路面がぬれているだけに見えますが、実際は凍結して滑りやすくなっています。

路面の状態を誤認して走行し、スリップなどの事故が起こりやすい危険な状態と言えます。

夜間の走行や、ホワイトアウトなどの視程障害が発生している状況下では、交通事故の危険性が一層高くなります。

アイスバーンになりやすい条件(気温・温度、時間帯など)

アイスバーンになりやすい場所、気温・機構、時間帯について確認していきます。

アイスバーンの条件:気温・気候

アイスバーンの発生は、気温や気候の影響を受けます。

路面温度が氷点下(気温は何度から)

アイスバーンが生じやすいのは、路面温度が氷点下の場合です。

注意したいのは、外気温と路面温度は必ずしも一致しないということです。

例えば、車の通行量が多い道路では路面温度が高く保たれますし、トンネルの出入り口付近や橋の上などは路面温度が低くなりやすいものです。

なお、アイスバーンによって路面が滑りやすくなるのは0℃~氷点下数℃で、それ以上に気温が下がると滑りやすさが緩和されます。

雪が降り続いている

路面に降った雪が、その都度、車に踏み固められて圧雪アイスバーンを形成します。

積雪量や交通量の影響は受けますが、雪が短時間で止んだ場合と比較するとアイスバーンができやすくなります。

降雪後に晴れた

降雪後に晴れた場合も要注意です。

日中の気温上昇によって圧雪アイスバーンの表面が解けて水になり、日が落ちて凍結することで滑りやすい路面ができあがります。

日照時間が短い場所や交通量が少ない場所では、特に注意が必要です。

アイスバーンの条件:時間帯

アイスバーンの危険性が高まるのは、夜間から朝方にかけてです。

日中に降り積もった雪は、夜間の気温低下によって凍結してアイスバーンになります。

そのため、日中に雪や水たまりだった場所が、夜にはアイスバーンになっていることも珍しくありません。

なお、ブラックアイスバーンが形成されると、ただでさえ凍結に気づきにくいところ、夜間には視界の暗さも相まって事故の原因となるリスクが高くなります。

アイスバーンと場所

アイスバーンになりやすい場所は、交差点など車が停止と発進を繰り返す場所や、路面温度が低い場所です。

信号のある交差点

信号のある交差点では、車が停止と発進を繰り返します。

その結果、圧雪や凍結路面がタイヤとの摩擦で磨かれて水滴ができ、路面が滑りやすくなります(ミラーバーン)。

橋げた上の道路

橋げた上の道路は、夜間には橋の下から熱を奪われて路面温度が低下し、凍結しやすいものです。

橋の他の部分は凍結していないのに、橋げたの上の道路だけが凍結することもあるので注意が必要です。

トンネルの出入り口

トンネルの出入り口は、日陰になる時間帯が長く路面温度が低くなりやすい場所です。

また、路面の水分が凍結する時間が他の場所より早くなる傾向があります。

アイスバーンを運転するときの対策

雪が降る地域で車を運転する場合、アイスバーン対策を知っているか否かで事故のリスクが大きく変わります。

タイヤ

雪が降る地域を走行する場合、スタッドレスタイヤを装着します。

スタッドレスタイヤは、通常のタイヤと比較すると滑りにくいタイヤですが、絶対に滑らないわけではないので、過信は禁物です。

新雪が降り積もった道路上は、滑り止め効果が高いチェーンを装着すると効果的です。

道路の状態をこまめに確認

雪が降る地域で車を運転するときは、こまめに路面の状態を確認し、アイスバーンができていれば慎重にブレーキングやハンドル操作を行う必要があります。

また、一見すると路面がぬれているだけに見えても、ブラックアイスバーンができている可能性があるため、路面が少しでも黒く見えたら、手前で十分にスピードを落として進入してください。

トンネルの出入り口、信号のある交差点、橋げたの上などアイスバーンができやすい場所では、念のため速度を落として急ブレーキや急なハンドル操作を控えることも大切です。

アイスバーンでのブレーキング

アイスバーン上では、平時よりも手前からゆっくりとブレーキを踏み、その後は小刻みにブレーキを踏みこんでください。

一定の力でブレーキを踏み続けると、スリップするおそれがあります。

また、アイスバーン上で急ブレーキをかけると、タイヤがロックされて車のグリップが効かなくなることがあります。

近年の車にはアンチロックブレーキシステム(ABS)が搭載されていますが、急ブレーキをかけると一時的にタイヤがロックされ、ハンドルを操作してもタイヤが動かない時間が生じてしまいます。

そのため、アイスバーン上での急ブレーキは控え、小刻みなブレーキングを心がけてください。

アイスバーンでのハンドル操作

アイスバーン上で急にハンドルを切ると、スリップのリスクが高くなります。

坂道では、手前で適切なギアにシフトダウンした上で坂道に進入し、アクセルを一定の力で踏んで低速で走行します。

坂道の途中で急ブレーキやシフトダウンを行うと、スピンなどのおそれがあります。

カーブ区間にアイスバーンができている場合、手前で十分に減速した上でカーブに進入し、できるだけハンドル操作を少なくし、低速を保って走行する必要があります。

スリップ時のハンドル操作

凍結した路面でスリップした場合、スリップした方向にハンドルを切ります。

例えば、左カーブでスリップした場合、車体後方が右にスリップするため、すぐにハンドルを右に切ります。

スリップした方向と反対側にハンドルを切ると非常に危険です。

一瞬の判断でハンドル操作をしなければならないので、平時から「スリップ時はスリップした方向と同じ方向にハンドルを切ること」を念頭に置いておくことが大切です。

まとめ

毎年、冬になるとアイスバーンによる事故が何件も発生しています。

アイスバーンが発生しやすい条件を理解し、チェーンの使用や適切なハンドル操作によって事故を回避しましょう。