- 災害に備えて家族で話し合っておきたいこと3つ
災害はいつどこで発生するか分かりませんし、災害発生時に家族が一緒にいるとも限りません。
例えば、夫は職場、子供は学校、自分は家にいるといった状況で大規模災害に巻き込まれることは、決して珍しいことではではありません。
そのため、家族がバラバラの状態で被災することを想定し、家族で被災した場合のことを話し合っておくことが大切です。
この記事では、災害が発生した場合の対応のうち、家族で話し合っておきたい内容について解説します。
目次
災害発生時について家族で話し合っておきたいこと
災害への備えとして、家族で最低限話し合っておきたい内容は、以下の3つです。
- まずは身の安全を確保すること
- 離れ離れになった家族との連絡手段(安否確認)
- 離れ離れになった家族と合流する方法(避難場所と避難経路)
それぞれについて詳しく解説していきます。
家族の防災:まずは身の安全を確保すること
通常、家族がバラバラの状態で災害が発生した場合、すぐ家族に連絡して安否や居場所を確認し、家族と合流したいと思うでしょう。
しかし、災害発生時に何より大切なのは、自分の身の安全を確保することです。
一刻も早く家族と合流したい気持ちは誰でも同じですが、危険を顧みずに行動すると怪我をするリスクが高くなりますし、最悪の場合は命を落とします。
そして、そうなったときに一番悲しむのは家族です。
そのため、まずは冷静に状況を確認し、身を守るために行動することが大切であると、家族で確認しておきましょう。
子供に伝えておきたいこと
小さな子供の場合、親と離れ離れの状態に耐えられず、周りの大人の制止を振り切って自宅に帰ろうとしたり、当てもなく被災地を探し回ったりすることがあります。
特に、小学生くらいの子供は、ある程度一人で行動できるようになる一方で、状況を客観的に理解したり、後先考えて行動したりする力が未熟です。
そのため、「家族に会いたい」「独りぼっちは嫌」という強い感情に突き動かされて行動してしまう傾向があります。
学校の先生や周囲の大人の指示に従って集団で行動することなど、災害発生時の基本的な対応をしっかり言い聞かせておきましょう。
また、「離れ離れになっても、親が必ず迎えに行くから、それまで大人しく待っておくように」と平時から伝えておくことで、被災してパニックになっても、親の言葉を思い出して落ち着くことができるものです。
家族の防災:離れ離れになった家族との連絡手段(安否確認)
災害発生時の連絡方法として多くの人が思い浮かべるのが、「電話」です。
しかし、災害発生時にはアクセスが急増しますし、警察や消防の通信確保を優先する目的で通信事業者が通信規制をかけるので、電話が極端につながりにくくなります。
インターネットの活用
一方で、近年、災害発生時の連絡方法として注目されているのが、インターネットです。
スマホやタブレットでネットを利用する場合、パケット通信方式(情報を細かく分割して伝送する方式)なので回線がパンクしにくく、電話と比べて連絡しやすくなっています。
各種防災アプリやTwitter、LINE、Facebook、Skypeなどをインストールしておくと、家族との連絡や安否確認、位置情報の確認、避難場所や避難経路の共有などが簡単にできて便利です。
防災アプリについては、別の記事で詳しく解説しています。
インターネットが使用できない場合もある
ただし、災害によって通信インフラが被害を受けて、インターネットが利用できなくなることもあります。
例えば、無線基地が停電すると、インターネットが利用できなくなります。
大規模災害発生時に、契約中の通信キャリアに関わらず公衆無線LANを無料開放する00000JAPANという取り組みもありますが、全ての災害で解放されるわけではありません。
また、スマホを持たない子供や高齢者の場合、そもそもインターネットを利用した連絡は不可能です。
彼らが災害発生時に家族と連絡をとる方法としては、災害用伝言ダイヤル(171)があります。
災害用伝言ダイヤル(171)の活用
災害用伝言ダイヤルとは、災害発生時に、被災地の通信が急激に増えてつながりにくくなった場合に利用できる利用できる伝言サービスです。
災害用伝言ダイヤルは、携帯電話、被災地の加入電話、ひかり電話、ISDNなどで利用することができます。
ここでは、伝言を登録する方法と再生する方法の流れを確認しておきます。
伝言を録音する方法
- 171をダイヤルする
- 録音を選ぶ
- 被災地にいる人の電話番号を入力する
- メッセージを録音する
- 終了する
伝言を再生する方法
- 171をダイヤルする
- 再生を選ぶ
- 被災地にいる人の電話番号を入力する
- メッセージを再生する
- 終了する
インターネットが利用できない場合は大切な安否確認手段になるので、使い方を家族で確認しておきましょう。
ただし、災害用伝言ダイヤルは、通常の電話と同じくつながりにくいことがありますし、伝言を録音する件数にも限りがあります。
また、利用するには市外局番を知っておかなければなりません。
実際に利用した際に焦らずに済むように、あらかじめ家族にも伝えておいてあげましょう。
171(災害伝言ダイヤル)については、別の記事で詳しく解説しています。
家族の防災:離れ離れになった家族と合流する方法(避難場所と避難経路)
災害の規模や被災場所によっては、家族と連絡が取れないこともあり得ます。
連絡がとれなくても確実に家族と合流するには、平時のうちから「離れ離れになったときに合流する場所」を決めておく必要があります。
家族で決めておきたいのは、以下のとおりです。
- 合流する場所(避難場所)
- 避難経路
- 合流する具体的な時間と場所
合流場所(避難場所)
災害発生時に家族がバラバラの場所にいることを想定し、合流する場所を決めておきます。
自宅から近い避難場所を合流場所にする家族が多いですが、子供の移動距離をできるだけ短くするのが基本です。
子供が遠方の学校に通っている場合は、子供の学校付近などで合流する場所を検討するようにします。
また、何らかの事情で合流場所に辿り着けなくなる場合を想定し、第2候補、第3候補くらいまで決めておくと安心です。
避難経路
あらかじめ避難経路を決めておくことで、合流場所(避難場所)で家族に会えなくても、家族が移動する(または移動した)経路をおおよそで予測することができます。
災害による被害の大きさによって避難経路が使えなくなる場合も想定し、第2候補、第3候補くらいまで決めておきましょう。
合流する具体的な場所と時間
避難場所には大勢の人が一斉に押し寄せるので、その中から家族を一人ひとり見つけ出すのは難しいものです。
そのため、あらかじめ避難場所を下見して、具体的な合流場所を決めておくことが大切です。
また、合流場所で24時間待ち続けることはできないので、合流する時間も具体的に決めておきます。
例えば、「◯◯避難所の時計台の下で、毎日午前9時~午前11時まで待つ」、「△△小学校の通用門の前で、午後3時~午後5時まで待つ」という感じで決めておきます。
実際に被災したときは、決めておいた日時場所で家族を待ち、その日に会えなければ次の日も同じ場所で待つことを繰り返します。
こうしておくことで、何時間も何日も同じ場所で動かずに家族を待ち続けて疲弊するのを防ぐことができます。
食事やトイレを我慢することもありませんし、空き時間に情報を収集したり、支援物資を受け取ったりする時間もとれるようになります。
また、なかなか合流場所にたどり着けない人も、「一刻も早く行かないと、家族がずっと待っているに違いない。」と焦る必要がありません。
「今日は間に合わなかったから、明日の合流時間にしよう。」というように、安全を第一に考えて行動しやすくなります。
まとめ
家族がいる場合、災害発生時の対応について家族で話し合い、情報を共有しておくことは必須の作業です。
特に子供が小さいうちは、子供のことを第一に考えて災害発生時の対応を決め、子供が分かるように伝えておいてあげましょう。