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津波火災とは?原因と対策は?東日本大震災における津波火災の被害は?

津波火災

この記事で分かること
  • 津波火災とは
  • 津波火災への備え

地震の影響で発生した津波が市街地などに押し寄せることにより、火災が発生することがあります。

津波火災と呼ばれる現象で、東日本大震災発生時には大きな被害を生じさせましたし、それ以前にも津波火災による被害がいくつも報告されています。

津波火災は何が原因で起こり、どのように対策をとればいいのでしょうか。

この記事では、津波火災の概要、津波火災の原因、津波火災の過去事例、津波火災の対策について解説します。

津波火災とは

津波火災とは、津波が押し寄せて浸水した地域で発生する火災です。

「津波は大量の水の塊なのに、どうして火災が発生するのか」と思うかもしれません。

しかし、津波火災は実際に何度も発生しており、津波がもたらす二次災害の一つとして昔からおそれられてきました。

事前の被害予測や対策が困難ですし、津波によって浸水した地域で発生するので、消火活動も困難を極めて被害が拡大しやすい傾向があります。

MEMO

津波とは、地震などの影響で海底の地形が急変しておこる起こる、巨大な波の伝播現象です。

地震による二次災害の種類と対策を防災士が解説!一時災害との違いも一覧表で分かる

津波火災の原因

津波火災の多くは、石油タンク、自動車や船舶から漏れ出した各種燃料(重油、ガソリン、ガスなど)、プロパンガスボンベなどに、倒壊家屋や樹木などの漂流物が接触して着火することで発生します。

また、各種燃料や可燃物が津波の浸水域を漂流することで広範囲に延焼をもたらします。

津波火災の具体的なメカニズムについては、大きく4つあると考えられています。

  • 倒壊家屋などの可燃物が津波によって山のふもとなどに打ち寄せられ、漂流していた各種燃料などと接触して着火
  • 市街地で自動車やプロパンガスボンベなどから出火し、津波で流されずに残った建物周辺に打ち寄せられた漂流物に接触して着火
  • 危険物が海へ流出して海上で火災が発生
  • 津波の影響で自動車や家屋の電気系統などから出火

山のふもとで火災が発生すると、森林火災に発展するおそれがあり、市街地で火災が発生すると避難場所にまで燃え広がるおそれがあります。

また、海上で発生した火災は、沿岸部に延焼するおそれがあります。

自動車や電気系統からの出火は単発であることが多いですが、津波到達から時間が経った後に断続的に発生すると、誰にも気づかれず燃え広がるリスクが高いです。

東日本大震災における津波火災

2019年10月時点で、過去の発生した最も規模が大きい津波火災は、2011年3月11日に発生した東日本大震災における津波火災です。

宮城県(99件)、岩手県(29件)、福島県(12件)など、東北地方を中心に津波火災が発生しました。

特に、宮城県気仙沼市や岩手県山田町では市街地で大規模な火災が発生し、鎮火に10日以上を要した地域もありました。

日本火災学会の調査結果では、東日本大震災によって1都16県で合計371件の火災が発生したうちの159件が津波火災で、全焼失面積は約74ヘクタール(東京ドーム約16個分)に及ぶとされています。

火災全体の約40%(371件中159件)ですが、大規模延焼の大半が津波火災によるものであり、その影響の大きさをうかがい知ることができます。

その他の津波火災

1933年3月3日に発生した昭和三陸地震では、岩手県釜石市の沿岸部で津波火災が発生し、200棟以上の家屋が被害を受けました。

1964年6月16日に発生した新潟地震では、地震動で石油タンクが損壊して油が流出し、津波によって内陸部まで流れ込んで着火したため、300棟近い民家に火災被害が出ました。

また、1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震では、奥尻島南部の集落で2件の津波火災が発生し、200軒近くが消失しました。

津波火災の対策

津波火災は、事前予測が困難な二次災害です。

「いつ、どこで、どれくらいの規模の津波火災が発生するか」は地震や津波の規模、地形、建築物などの影響で変化するので、事前対策を講じることも難しいのが現状です。

例えば、津波の指定緊急避難場所は、想定される津波から身を守ることができる場所が指定されますが、その近辺で津波火災が発生するかどうかまで予測することは困難です。

また、津波の影響で浸水・冠水して移動もままならない状況下で発生するので、初期消火や延焼を防ぐ対策を講じることも難しいという現実があります。

津波火災に対して個人が備えておけることと言えば、避難経路や避難場所を決めるときに津波火災まで想定しておくことくらいです。

また、津波火災の情報をいち早く入手するために、防災アプリをスマホにダウンロードしておくことも大切です。

東日本大震災では、津波から避難した場所で津波火災が発生して身動きが取れなくなったケースも発生しており、継続的に情報入手できるようスマホ用のバッテリーを備えておくことも大切です。

防災グッズとしての充電器については、別の記事で詳しく解説しています。

スマホ充電用の防災グッズのおすすめを防災士が解説!手回し式を使わない理由

まとめ

津波は、それ自体が深刻な被害をもたらしますが、津波によってもたらされる二次災害もまた深刻です。

特に、津波火災は、津波に飲まれて立ち入れなくなった地域で発生し、取り残された人や建物・家財に大きな被害を与えます。

個人で津波火災に備えることは難しいものですが、少なくとも津波火災という現象があることは知っておきましょう。

【参考】