災害の備えは平時から!防災グッズのある生活をもっと身近に!

高齢者が備える防災グッズのリスト一覧!防災セットに入れる避難時の持ち物を徹底解説

高齢者 防災グッズ

この記事で分かること
  • 高齢者に必要な防災グッズ
  • 高齢者におすすめの防災セット

高齢になるほど体力が低下して足腰も弱くなるので、防災セットも「重さ」や「運びやすさ」を重視して選ぶ必要があります。

また、年をとるにつれて必要になるものもあり、防災セットの中身も若い頃と同じというわけにはいきません。

この記事では、高齢者が備えておきたい防災グッズ(避難時の持ち物)とおすすめの防災セットについて解説します。

MEMO

何歳からが高齢者という基準はありません。

 

この記事では、60~65歳以上で、体力や足腰に多少の不安はあっても自分で防災セットを持ち出せる方を「高齢者」としています。

 

また、高齢者用の防災セットを備える場合、この記事で解説する高齢者用の防災グッズに加え、保存水や非常食など一般的なグッズも備える必要があります。

一般的な防災セットに必要な防災グッズと備え方については、以下の記事で詳しく解説しています。

最低限必要な防災グッズのリストを示し、各グッズを一つひとつ解説しているので、これから防災セットを手作りする人や、手持ちの防災セットに防災グッズを付けたしたい人におすすめです。

持ち出し用防災セットの中身リスト一覧!最低限必要な防災グッズを防災士が徹底解説

高齢者に必要な防災グッズリスト一覧

高齢者に必要な防災グッズを持ち歩き用(防災ポーチ)、持ち出し用、備蓄用に分けてまとめると、以下の表のとおりになります。

高齢者用持ち歩き用持ち出し用備蓄用
防災リュック
重さと運びやすさを重視
ポーチ

持ち歩くグッズを入れておく

持病の薬

1~2回分

持ち歩き用の残り

とんぷく(発作や症状がひどい時にだけ飲む薬)も入れておく

お薬手帳
普段から持ち歩く
老眼鏡・メガネ
持ち歩き用と持ち出し用に1つずつ
成人用おむつ

2回分

5回分(1日分)

15~35回分(5回/日×3日×7日分)

普段は使用していなくても備える
歯磨きシート

1パック

2~3パック

水がいらないシートを備える
入れ歯洗浄シート

1日分

1~2パック

洗浄剤ではなく洗浄シートを備える
ウェットティッシュ

1パック

2~3パック

ノンアルコール・無香料のもの
折りたたみ式の杖
普段使用していない場合も備える
MEMO

防災グッズは、持ち歩き用、持ち出し用、備蓄品という3つの防災セットに分けて備えるのが基本です。

防災セットの種類

説明

持ち歩き用日頃から常に持ち歩く防災セット(防災ポーチ)

災害発生直後に身を守るための備え

持ち出し用避難時に持ち出す防災セット

避難時や災害発生後1日間のための備え

備蓄品家に置いておき、自宅避難時や避難後災害が落ち着いた後に持ち出す防災セット

災害発生後、行政が災害支援を本格的に開始するまでの72時間(大規模災害の場合は1週間程度)を生き抜くための備え

3つに分けて備えることで、被災した状況に応じて使い分けることができます。

 

少し前までは持ち出し用と備蓄品だけが主流でしたが、近年は、持ち歩き用の防災セット(防災ポーチ)を備えることが推奨されるようになっています。

 

特に、高齢者の場合、屋外で被災したときに迅速な避難や情報収集をするのが難しいことが多いので、被災直後に最低限命を守れるだけのグッズを持ち歩くことが重要になります。

この記事では、防災ポーチと持ち出し用防災セットに入れておきたい防災グッズを解説していきます。

備蓄品については以下の記事で詳しく解説しています。

必要な備蓄品のリスト一覧と水や食料を備える量、保管場所を防災士が解説

高齢者に必要な防災グッズの選び方(防災ポーチ)

高齢者が防災ポーチに入れておく防災グッズの選び方と備え方を解説します。

ポーチ

ポーチの選び方
  • 持ち運びの負担にならない大きさ・重さ・厚さ
  • 中身が見える

持ち運びの負担にならない大きさ・重さ・厚さ

防災ポーチは、外出時に常に持ち歩くので負担にならないような大きさ、重さ、厚さの入れ物を選ぶことが大切です。

ポーチ本体は高さ15cm×幅20cm×奥行き7cm程度、重さは50gまでに抑えるのが理想です。

普段使いのカバンが大きく体力的にも余裕があれば、もう少し大きめのポーチでもかまいませんが、持ち歩くのが負担にならないことを第一に考えましょう。

中身が見える

防災ポーチは、災害発生直後の混乱した状況で必要なグッズをすぐ取り出せるようにしておく必要があります。

中身や入れた場所を把握しておくのが理想ですが、パッと見て中身を確認できるような入れ物を選ぶのが無難です。

中身が見えれば「欲しい物が入っているかどうか」がすぐ分かりますし、すぐ取り出すことができるので、必要な時に必要なグッズをすぐ使うことができます。

MEMO

私は、防災ポーチにモンベルのメッシュケースS(重さ40g、高さ14cm×幅19cm×奥行き6.5cm)を使用しています。

父母用の防災ポーチも作りましたが、中身が見えて、耐久性や取り出しやすさも優れているので、同じ物を渡しました。

持病の薬

持病の薬の備え方
  • 服用しないと生活に支障が出る薬は常備する
  • 小分けにしておく

服用しないと生活に支障が出る薬は常備する

「飲まないと体調が悪くなる。」、「いざというときのために持っておかないと不安がある。」という薬は、1~2回分を防災ポーチに入れて常に持ち歩き、残りは持ち出し用防災セットに入れておきます。

持ち出し用防災セットを自宅の目につく場所に保管し、そこを常備薬の保管場所と決めておけば、常備用の薬を取り出しやすいですし、備え忘れも防ぐことができます。

前にもらった薬と新しくもらった薬を同時に保管する場合、薬の袋に目印やもらった日付を書いておき、古い薬から飲めるようにしておきましょう。

MEMO

防災セットに薬を保管するのが手間だと感じる場合は、まとめて防災ポーチに入れ、家の中でも手の届く場所に置いておくのもありです。

注意

とんぷくを持ち出し忘れる人が多いです。

災害発生時には、発作などが起こっても迅速かつ適切に医療行為を受けられるとは限らないので、とんぷくも忘れずに持ち出してください。

小分けにしておく

災害発生時にはパニックになり、普段は何気なくできている行動ができなくなることがあります。

過去の災害でも、被災した高齢者が薬の飲み間違いで体調を崩すケースはたくさん報告されています。

1回分または1日分の薬を薬ケースに入れて保管し、飲み間違いを予防しておきましょう。

薬ケースがかさばる場合は、小さいパケット(ジップ付きのビニール袋)に入れておく方法もあります。

お薬手帳

お薬手帳の備え方
  • 常備する

常備する

薬と一緒に常備しておきたいのがお薬手帳です。

病院やクリニックで薬が処方されると、お薬手帳に処方薬の名称や量などが記載されますし、薬剤師が薬の飲み方や副作用、アレルギーなどを記入してくれることもあります。

災害発生時に薬がなくなった場合、薬の名前や飲み方を覚えていなくても、医師にお薬手帳を見せれば必要な薬を処方してもらえます。

また、病気や怪我をしたときに、副作用のある薬や飲み合わせの悪い薬を避けて処方してもらうためにも役立ちます。

平時にも忘れがちなお薬手帳ですが、災害時には大切な情報源となるので、忘れずに持ち歩きましょう。

老眼鏡・メガネ

老眼鏡の備え方
  • 予備を入れておく

予備を入れておく

目が見えにくいと避難行動や避難生活に大きな支障が出るので、老眼鏡やメガネは高齢者にとって必要不可欠な防災グッズです。

普段使いの老眼鏡やメガネが壊れたり、就寝中に災害が発生してかける余裕が無かったりすることを想定し、防災セットに予備を備えておきましょう。

持ち出し用防災セットだけでなく、常備する防災ポーチにも入れておくとより安心です。

MEMO

目の病気などでサングラスを着用している場合は、取り外し式のサングラスも備えておきたいところです。

成人用おむつ

成人用おむつの備え方
  • 平時に使っていなくても備える

平時に使っていなくても備える

成人用おむつは、高齢者用防災グッズの必需品です。

ポイントは、平時におむつを使っていなくても防災グッズとして備えておくということです。

災害発生時は心身ともに大きなショックを受け、平時にできていたことができなくなることが多く、排泄コントロールもうまくいかなくなることがあります。

そのため、いざという時に備えて成人用おむつを備えておくのです。

MEMO

簡易トイレでも代用可能です。

 

成人用おむつは履く必要があるので、その場で用を足せる簡易トイレの方が便利という人もいます。

高齢者に必要な防災グッズの選び方(持ち出し用防災セット)

高齢者が持ち出し用防災セットに入れておく防災グッズの選び方・備え方を1つずつ解説していきます。

防災リュック

防災リュックの選び方
  • 運びやすさを重視する
  • 大きさ・重さと容量のバランスを考慮する
  • 反射板は必須

運びやすさを重視する

高齢になるほど体力が低下して足腰も悪くなり、重い荷物を背負って避難することが難しくなるので、背負うだけでなく転がすこともできる防災リュックを備えることが大切です。

運びやすさを突き詰めるとキャリーケースや買い物用カートが便利なのですが、災害発生時には道路が破損や水没していたり、緊急事態が発生して走ったりすることがあります。

そのため、キャリー付きで転がして持ち運ぶことができ、悪路や緊急時には背負えるキャリーリュックを備えておきます。

「転がす」「背負う」「持つ」3WAYキャリーリュック採用 ものすごい防災セットシリーズ

大きさ・重さと容量のバランスを考慮する

高齢者の防災セットには、通常の防災グッズに加えて、老眼鏡、成人用おむつ、折り畳み式の杖などの高齢者用グッズを入れることになります。

しかし、たくさん入れるからと言って大きくて重いものを選ぶと、それがキャリーリュックでも持ち運びに苦労します。

そのため、大きさと重さ、大きさや重さと容量のバランスが良いキャリーリュックを選ぶことが大切です。

反射板は必須

高齢者は、若い人と比べると反応が鈍く、急接近する車やバイクに気づいてもすぐには回避行動がとりにくいものです。

それなりに重量のある防災リュックを背負っていると、なおさら対応が遅れます。

夜間に避難するときに交通事故に巻き込まれないように、ベルト部分と背後部に反射板が付いた防災グッズを選びましょう。

持病の薬

防災ポーチの項目で解説したとおりです。

老眼鏡・メガネ

防災ポーチの項目で解説したとおりです。

成人用おむつ

成人用おむつの備え方
  • 平時に使っていなくても備える

平時に使っていなくても備える

災害発生から避難所に仮設トイレが設置されるまでは時間がかかりますし、設置後も人が殺到して混雑します。

特に、女性の仮設トイレには常に長蛇の列ができ、並び始めてから何時間も待つことも珍しくありません。

災害という異常事態の中で、心と体のバランスを崩して尿便のコントロールがうまくいかなくなる高齢者も多いので、平時に成人用おむつを使用していなくても、備えておくことをおすすめします。

持ち出し用防災セットには1日分(5回分)、備蓄品には3~7日分(15~35回分)を備えておきます。

MEMO

おむつに抵抗がある人は、簡易トイレを多めに備える方法もあります。

 

ただし、「避難所内で急に尿意をもよおし、簡易トイレをセットする前に漏らしてしまった。」という被災者の声も多いです。

 

心配な場合は、成人用おむつを備えておくと安心です。

歯磨きシート

歯磨きシートの備え方
  • 歯ブラシではなく歯磨きシートを備える

歯ブラシではなく歯磨きシートを備える

災害発生時には、水が思うように手に入らないことがあります。

入手できたとしても、貴重な水を歯磨きの後に口をすすぐためには使いにくいものです。

そのため、防災グッズとしては、水なしで使用できる歯磨きシートを備えておきましょう。

歯磨きシートが入った市販の防災セットもあるので、購入する場合はセットの中身を確認してみてください。

防災コラム

災害発生時には、口内のケアがおろそかになる傾向があります。

 

「生きるか死ぬかの状況で、歯磨きなんてしている場合じゃない。」という人もいるくらいです。

しかし、口内のケアを怠ると、細菌の増加や粘膜の抵抗力低下を招き、口内炎や歯肉炎になります。

 

高齢者の場合、虫歯や入れ歯の不適合などで歯や歯ぐきの痛みが生じて睡眠不足や栄養不足になり、体力が低下して誤嚥性肺炎や呼吸器感染症などを引き起こすリスクが高まります。

 

最悪の場合、命を落としてしまいます。

 

災害発生時にも、口内のケアには十分に気を配る必要があり、そのために備えておかなければなりません。

入れ歯洗浄シート

入れ歯洗浄シートの備え方
  • 水がいらないシートを備える

水がいらないシートを備える

入れ歯洗浄剤と言えば水をためたコップに洗浄剤を入れ、その中に入れ歯を浸けるタイプが有名です。

しかし、災害発生時には水が手に入りにくいことがあるので、水がいらない入れ歯洗浄シートを備えておきます。

入れ歯の手入れを怠ると、口内環境が悪化し、健康にも悪影響を与えてしまうので、こまめにシートで汚れを拭きとるようにしましょう。

ウェットティッシュ

ウェットティッシュの備え方
  • ノンアルコール・無香料

ノンアルコール・無香料

高齢者は、感染症にかかりやすい傾向にあります。

被災すると心も体も疲れ切って抵抗力が落ち、気力と体力も著しく低下するので、特に感染症にかかるリスクが高まります。

そのため、平時以上に衛生管理に気を配らなければなりません。

災害発生時には手を洗うための水が手に入りにくいので、食事の前とトイレの後はウェットティッシュで手を拭きましょう。

また、避難時に汚れたりたくさん汗をかいたりした場合は、ウェットティッシュで体を拭いて清潔に保つことも大切です。

防災グッズに適しているのは、刺激が少ないノンアルコールで無香料のウェットティッシュです。

折り畳み式の杖

折り畳み式の杖の備え方
  • 普段使いの杖とは別に備える
  • 杖を使っていなくても備える

普段使いの杖とは別に備える

折り畳み式の杖については、「そもそも必要ない」、「玄関先に普段使いの杖が置いてあるなら不要」という意見があります。

しかし、防災生活では、持ち出し用防災セットに備えることをおすすめします。

避難時や避難生活において、「自力で歩くことができるかどうか」は非常に大きな違いだからです。

杖をついて歩けるなら、周囲のサポートを得て自力で避難することができますし、避難所の中で散歩に出かけることもできます。

1日中避難所の同じ場所で過ごすとストレスがたまりやすく、逆に、1日のうち短時間でも歩き回ることは避難生活のストレス緩和になることが分かっています。

そのため、ストレス対策としても、杖は重要な役割を果たすことになります。

平時に杖を使っているなら、折り畳み式の杖は必需品です。

「普段使いの杖を持ち出せばいいのではないか。」と思うかもしれません。

確かに、玄関などに置いた普段使いの杖を持ち出すことができればベストです。

しかし、災害発生時には、家具が倒れたり割れたガラスが床に散乱したりして杖の置き場所までたどり着けないケースもあるので、防災セットにも備えておきたいところです。

杖を使っていなくても備える

平時には杖が必要でない人も、念のために折りたたみ式の杖を備えることをおすすめします。

被災すると心と体が疲れ果て、平時に難なくできた行動ができなくなることが多いからです。

平時には杖なしで元気に歩けていた人が、被災後に杖なしでは歩けなくなるというケースはたくさん報告されています。

また、歩かないで過ごす期間が長くなると、足腰の機能が低下して一生歩けなくなってしまうこともあります。

被災後のショックで歩けなくなることを想定し、折りたたみ式の杖を防災セットに入れておきましょう。

MEMO

4.5年前までは、高齢者向けの防災講義で折り畳み式杖のおすすめを紹介していました。

 

しかし、後日、紹介した杖を購入した人に話を聞くと、「自分の体に合ったものでないと使いにくい。」という意見が大半でした。

 

そのため現在は、「一度、店頭で使ってみて、気に入ったものを購入してください。」と伝えるようにしており、防災生活でもおすすめの杖を載せないようにしています。

高齢者におすすめの防災セット

高齢者用の防災セットを選ぶときのポイントは、3つあります。

この記事で分かること
  • キャリー付き
  • 最低限の防災セットが入っている
  • 高齢者用のグッズを買い足して入れることができる

購入時は元気でも、時間の経過とともに体力は衰え、足腰も悪くなっていくので、高齢になってから防災セットを購入するなら「背負う以外の持ち運びができる」防災セットを選ぶことが重要な意味を持ちます。

また、この記事で解説した防災グッズは高齢者に必要なグッズなので、一般的な防災グッズは別に購入する必要があります。

防災リュックには、一般的な防災グッズと高齢者用の防災グッズが無理なく入るだけの容量も必要になります。

これら3つのポイントを全て満たすおすすめの防災セットが、ものすごい防災セットプレミアムです。

ものすごい防災セットプレミアム

ものすごい防災セットプレミアムは、体力に自信のない高齢者や女性でも楽に運ぶことができる防災セットとして、企業や官公庁への納品実績が豊富な防災メーカーが開発したものです。

最大の特徴は、リュックサック(背負う)、キャリーバッグ(転がす)、ハンドバッグ(手で持つ)という3つの持ち方ができる3WAYキャリーバッグです。

ものすごい防災セット 持ち運び方

重い荷物を背負って歩いたり走ったりして避難するのが難しい高齢者にとっては、非常にありがたい防災リュックです。

高齢者が無理なく使えるような大きさ・重さ・形状で、防災リュックとして開発されているので頑丈さや視認性の高さも申し分ありません。

容量は約27Lと大きめなので、セットの中身に加えて買い足した高齢者用グッズも十分に入ります。


「転がす」「背負う」「持つ」3WAYキャリーリュック採用 ものすごい防災セットシリーズ

防災コラム

とある地域の町内会役員を対象に防災講義を開催した際に、防災セットをいくつも持ち込んで簡易な品評会をやってみたことがあります。

 

ものすごい防災セットプレミアムは、おおむね50歳以上の人に「持ち運びやすい」、「買い足したものがたくさん入って便利」と好評でした。

 

また、「高齢の親に買っておいてやりたい。」、「今はリュックサックで良いけど、10年後、20年後はこれを選ぶかな。」という若い人が多かったのも印象的でした。

高齢の親がいる人や施設職員の方へ

高齢者の中には、防災意識が高く自分で防災セットを買いそろえる人もいますが、そうでない人もいます。

高齢の親御さんがいる人

もし、高齢の親御さんが遠方で1人または夫婦だけで生活していて、防災セットを備えていないようなら、プレゼントしてあげるのも一つの方法です。

「もう先も長くないし、必要ないよ。」、「うちは大丈夫だから自分の家庭を心配しなさい。」などと言われる方も多いですが、買って渡すと案外受け取ってもらえるものです。

口では「必要ない」、「大丈夫だ」と言っていても、健康や足腰に不安がある高齢者ほど内心は不安を抱えていることが多いものです。

また、防災セットをプレゼントしてもらうことで、「気遣ってもらえているんだな。」と改めて家族の思いやりに心動かされ、「心配されないように備えよう。」と防災意識を持ってもらえることもあります。

きっかけがないと渡しにくいのであれば、親御さんの誕生日や結婚記念日、敬老の日、母の日や父の日などに渡すのがおすすめです。

子ども全員からプレゼントしたり、孫から渡したりするのも効果的でしょう。

高齢者が入所する施設職員の方

高齢者施設でも防災セットを備えるところが増えていますが、私が訪問したことのある施設では、職員が持ち出す前提で備えているところが多いです。

しかし、自分で防災セットを持ち出して避難できるだけの判断能力と体力が入所者に残されている場合には、高齢者に防災セットの購入を促すことも大切です。

高齢者は、自分で防災セットを備えることにより、「いざというときは自分で避難する。」という意識が芽生えますし、防災意識を高める機会にもなります。

入所者の経済力やご家族の同意などのハードルはありますが、入所者の自覚を促し、災害への備えを施設だけで背負わないという姿勢を持つことは、施設の負担の観点からも重要なことです。

まとめ

災害が発生して避難所を訪問するたびに、避難生活に苦労されている高齢者をたくさん見かけます。

特に、災害発生直後は、着の身着のままで寒さに震えている人、食べ物や飲み物がなく困っている人、トイレに行きたいが足腰が悪くて長蛇の列に並べない人などが目立ちます。

こうした状況は、行政やボランティアの支援によって徐々に解消されていきますが、大規模災害の場合、支援が本格化するまでに1週間以上かかることもあり、長期にわたって苦しい生活を強いられることになります。

災害発生時の苦痛や不快感を少しでも和らげるには、高齢者自身が防災セットを備え、日頃から防災を意識した生活を送ることが欠かせません。

高齢者本人が防災意識を持つことはもちろん、家族や周囲の支援者の働きかけも大切です。

防災セットをプレゼントするというのも、働きかけの一つです。

もし、高齢の親御さんがおられるのなら、この機会に防災セットのプレゼントを考えて見られてはどうでしょうか。

また、高齢者が入所する施設の職員の方など、高齢者と接する機会が多い人も、折を見て防災について話をしたり、防災セットの購入を促してみられてはどうでしょうか。